簡易地デジチューナーのラインナップも充実
「ケーブルテレビショー2009」が開幕 − 各社が注目の最新STBやコンテンツを紹介
■簡易地デジチューナーも多数登場
2011年7月24日に迫る地上・BSデジタル放送完全移行を前に、簡易地デジチューナーにも様々なモデルが出そろってきた。各社の新製品を見ていこう。
八木アンテナはコンパクトなデザインと簡易な設置性能を実現した“UwPA(ウーパ)”シリーズのラインナップを出展。6月末から発売された最新モデル「UWPA-UP」は、本体に受信品質向上を実現する低雑音ブースターを内蔵し、UHFアンテナ14素子相当の受信性能を実現している。価格はオープンだが、市場実売価格は9,000円前後が見込まれる。また、地デジアンテナパワーアップブースター「DPW02」や、市場実売価格10,000円前後の簡易地デジチューナー新製品「DTC50」も注目の製品だ。
日本アンテナは地デジチューナーの新製品「GDT30」を出展。本機の価格はオープンだが、予想実売価格は10,000円前後。また同社からは屋内・屋外に簡易に設置可能な薄型地デジアンテナ「UDF80/60」も出展され、注目を集めている。
マスプロ電工は市場実売価格10,000円前後が予想される地デジチューナー「DT620」を出展。先述の同社製STBにも搭載するEPGや画面拡大機能が本機にも採用されている。
DXアンテナは簡易地デジチューナー「DIR810」「DIR710」を出展。コンパクトな筐体により優れた設置性能を実現している。
■コンテンツ系の注目展示
KDDIは、全国のケーブルテレビ局向けに提供する映像配信「MOVIE SPLASH VOD」で8月から開始予定の「NHKオンデマンド」サービスを紹介している。NHKオンデマンドは2008年12月1日からスタートしたNHKの有料VODサービス(関連ニュース)だが、PCでの視聴だけでなく、J:COM TV デジタル内の「J:COMオンデマンド」、アクトビラのVODサービス「アクトビラ ビデオ・フル」、NTTぷららのVODサービス「ひかりTV」で楽しむことができる。いよいよ今夏からKDDIのサービスプラットフォームにも拡大される。今回のイベントでは、現在KDDIで開発中のインターフェースやデモ映像を使ったNHKオンデマンドの視聴デモも行われていた。
またCATVのインフラを利用して地域限定のワンセグ放送を送信する「エリア・ワンセグ」を紹介。本サービスではこれまで東京・中野でのイベント連動ライブ番組の配信や、鳥取・日吉津での大型商業施設内インフォメーションサービスの実験を成功させており、展示説明員によれば「今後はショッピングモールでのクーポンサービスや災害情報、観光情報の配信などビジネスモデルを探っていく考え」であるという。また最大40Mbpsの高速通信が可能な無線LANサービス「モバイルWiMAX」のトータルソリューションも、ケーブルテレビ事業者向けに紹介している。
NHKのブースにも「NHKオンデマンド」のサービスを紹介するコーナーが設けられている。NHKアーカイブスに保存されている名作や人気番組を配信する「特選ライブラリー」は、サービスインから現在まで約1,700本の番組が揃ってきたという。展示説明員は「今後年末までに2,000本を超えるタイトル数を用意していきたい。無料の会員登録も順調に数を伸ばしてきているので、有料VODの魅力もますます高めていきたい」と話す。
ソニーのブースでは放送機器を中心としたHDコンテンツ制作のトータルソリューションを提案している。昨年末開催の「2008国際放送機器展(InterBEE 2008)」にも出展された(関連ニュース)、業務用ビデオカメラ“XDCAMシリーズ”の製品群や1080iのフルHD撮影に対応した小型カメラ“まめカム”HD「HXR-MC1」(製品レビュー)も注目を浴びる。
また独自の高画質技術“TRIMASTER”、フルHD対応の10bitドライバーを搭載し、120Hzのハイフレームレート表示にも対応する23V型の業務用液晶モニター「PVM-L2300」や、リニア編集対応レコーダー「PDW-F1600」なども会場に訪れたクリエイターたちの関心を集めていた。