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画質は、機能はどう進化した? −日立“Wooo”「P50-XP05」導入レポート
■「録画テレビ」の先駆者ならでは、大充実の録画機能
冒頭にも書いたが、日立はハードディスク内蔵テレビの本家である。録画機能には今回も工夫を凝らし、後発他社を頭一つリードしている。たとえば地上デジタルチューナーは3基搭載し、地デジやBSを視聴中に、2本の裏番組を録画することができる。
番組表も分かりやすく改良している。ジャンルで色分けされ、録画予約は大きく「赤マル」で表示するほか、録画済み番組をジャンルで分類したり番組名でまとめたりして表示する「ワケ録」機能もユーザーフレンドリーだ。
録画に入ってからの終了時間の設定もしやすい。本編以外の箇所を飛ばす「本編自動サーチ」も便利だ。またiVポケットを備え、取り外し可能なカセットHDD「iVDR-S」へも録画できるのは、他社にない、かねてからのWoooの特長である。
ただし、前作のXP035はHDD容量が500GBだったが、XP05では320GBに縮小された。Woooにはハイビジョンのトランスコード/トランスレート技術XcCodeHDが搭載され、TSX8モードを使った場合、ハイビジョンのまま、最大8倍録画することができるので、そちらを使いこなしてほしいという考えだろう。また、前作まではHDDにアナログ放送を録画できたが、本機はデジタル番組のみ記録に変わった。
今回、録画した後についても新たな提案が盛り込まれている。コンテンツの保存は録画テレビの課題だが、Woooの場合、本機をDLNAサーバーとして利用でき、別室のテレビに録画済番組を配信できる。ここまではXP035でも可能だったが、XP05シリーズでは新たに、DLNA対応NASへ録画番組をムーブすることが可能になった。
■独自の超解像技術を搭載、自動画質調整機能もさらに進化
XP05シリーズの画質面でのトピックとしては、日立として初めて超解像を搭載したことが挙げられる。
超解像には様々なアプローチがあるが、日立の場合、ピクセルマネージャーと命名した画素情報解析機能で映像の各種分析を行い、放送画質の大元に遡ってオリジナル画像の解像度を突止め、その復元を行うという本格的な超解像である。
実際の効果として、モスキートノイズ、ブロックノイズの除去を行った後、放送プロセスで劣化した解像度を復元。さらに映像に応じた精細感(映像のメリハリ、陰影)の適切な回復を行う。これらはメニューの映像調整で効果を選択することができる。
室内環境に応じて画質を自動調整する機能も日立は採用が早かったが、「インテリジェントオート高画質2」では、超解像の効果も視聴環境やコンテンツの傾向に応じて適用され、またアニメ番組に適したノイズリダクション処理を追加するなど工夫が見られる。
映像モードに照度150〜300ルクスの視聴環境を想定した「リビングシアター」と、150ルクス以下に適した「シアタープロ」の2モードも加わり、先の「インテリジェントオート高画質2」と連動を行っている。
デザイン面はパネルに「ダイレクトピュアカラーフィルター」を新たに搭載。前面一枚ガラス仕立て、カラーフィルター直貼りに変わった。中間に空気層がなく反射が少ない。本体の厚みは93mmとオーソドックスなデザインだが、スピーカー開口部を大きく取り、スピーカー前面積を350%アップさせていることに注目したい。スピーカーが視聴者に正対しているので音質が良いのだ。イコライジング機能「CONEQ」も採用して明瞭な音声である。
プラズマ方式で基本的に同じパネルを使用する他社製品とほぼ同等の売価だが、P50-XP05は320GB HDDを内蔵していること、地デジチューナー3基を搭載していることなどを考えれば、非常にコストパフォーマンスが高いと言える。