Jacob Jensen Studioがデザインコンセプトを語る
<IFA2010>東芝 プレスカンファレンス − 3D液晶テレビ「WL768」やタブレット端末「FOLIO 100」を発表
東芝はIFA2010のプレスデイ2日目にプレスカンファレンスを開催し、同社のヨーロッパ向け3D液晶テレビ「WL768」シリーズや、Android OS搭載のタブレット端末「FOLIO 100」を発表した。
はじめに東芝ヨーロッパ社プレジデントのAlan Thompson氏が登壇。IFA2010ブースのハイライトについて「テレビとPCの双方で実現した3D技術をお見せしたい。またテレビの新製品に関してはデザインへの注力もアピールできるだろう。さらには新しい提案型のモバイル端末や、東芝オリジナルのコンテンツサービスも紹介していく。ぜひ東芝の新たなビジネスアプローチを体験してほしい」と挨拶した。
続いて東芝ヨーロッパ社Visual Products Head of Marketing、Sacha Lange氏が東芝がヨーロッパで展開する新サービス「TOSHIBA PLACES」、「TOSHIBA MARKET PLACE」を紹介した。
「TOSHIBA PLACES」は東芝ヨーロッパ社が開発したクラウドベースの新サービスとなり、シンプルなユーザーインターフェースを操作しながら、ウェブ経由で動画や写真などのコンテンツがシェアできる。アプリケーションサービス「TOSHIBA MARKET PLACE」には年内までに15社のコンテンツプロバイダーが参加し、多種多様なマルチメディアコンテンツや様々なスペシャルサービスを展開されるという。
サービスに対応する製品として、セットトップボックスとタブレットPCが10月中旬よりフランスを皮切りにヨーロッパ各国へ導入される予定だ。
タブレットPC新製品の紹介は東芝EMEA社Digital Life Products and Services General Manager、Marco Perino氏が行った。「FOLIO 100」はAndroid OS 2.2を搭載した、奥行き14mm、重さ760gのコンパクトなタブレット型端末。NVIDIAの統合型プロセッサ「Tegra 2」を採用し、7時間連続駆動を実現している。HDMI/WiFi/Bluetooth/3G通信をサポートし、1.3メガピクセルのウェブカメラも内蔵している。10.1インチの液晶パネルはマルチタッチ操作に対応しており、フルFLASH対応のウェブ閲覧が行える。SDメモリーカードスロットも装備している。
「TOSHIBA MARKET PLACE」についてPerino氏はコメントを加え、「本機の発売後、IPラジオや動画・音楽再生などが専用アプリケーションで楽しめるようになる。後にeBookサービスも加わる予定だ。10インチのスクリーンに最適化した、使い勝手の良いアプリケーションを提案したい」とした。コンテンツはパートナー企業との協業により制作していく。またサービスのプラットフォームも開放し、東芝の製品以外でも使えるサービスに発展させていく考えであるという。
3D戦略に関する説明は東芝EMEA社Computer System General ManagerのThomas Teckentrup氏が担当した。家電製品については3D対応のテレビ、2D/3D変換技術。3Dゲームに取り組むという。「ディスプレイ、BDプレーヤー、PCやポータブルデバイスなど様々な商品形態で3Dを楽しめるようにしていきたい。第4四半期の早い段階でBlu-ray 3D再生対応のプレーヤーも投入する」という。
ヨーロッパではBlu-ray 3D再生対応のノートPC「Qosmio F60」、「Satellite A665 3D」も発売を予定。それぞれBlu-ray 3D対応のドライブを搭載し、HDMI経由で3Dテレビと接続し、3D再生を行えるようになるという。2D-3Dリアルタイム変換機能も搭載される予定だ。
続いて(株)東芝 ビジュアルプロダクツ社から、映像マーケティング事業部 事業部長の村沢圧司氏がイベントに出席し、ヨーロッパ市場での3Dテレビに関連した取り組みを紹介した。
村沢氏は「グローバル、ヨーロッパともにLCDテレビのマーケットは緩やかではあるが着実に伸長している。ヨーロッパは置き換え需要の大規模なマーケットだ」と説明。マーケットの動向としてはLEDバックライト搭載機や3D、ネット対応など高付加価値モデルへのニーズが近年増加していることから、「今後東芝はさらなる拡大が見込まれる高付加価値ゾーンの商品を強化していく考えだ」と語った。
3D関連の製品については「まだ市場が新しく生まれたばかりだが、今後ヨーロッパでも必ず伸びてくる分野であると期待している。テレビは今後、ますます家庭のコアエンタテインメント商品になる。ユーザーのニーズは、新しい体験、洗練されたデザイン、コミュニケーションツールとしての進化にあると見ている」とした。
村沢氏は「テレビのデバイスで最も大事なのは“エンジン”」であるとし、高画質・高機能を実現するために最も重要なデバイスの一つと位置付ける。東芝は「半導体」と「ソフトウェア」の先端技術を持っており、それぞれを組み合わせた強力な映像エンジンが開発できるメーカーであることを強調。ヨーロッパでもCELLの技術を応用した新エンジンを“CEVO ENGINE”のコードネームで展開する考えを明らかにした。日本と北米では、CELLプロセッサーをベースにしたエンジンを搭載した製品を展開しているが、ヨーロッパでは差別化を図り、「高画質、高速ネットワーク機能や、低消費電力化などエコフレンドリー性能といった、ヨーロッパの地域に根付いたニーズに応える特性を持たせる」と村沢氏は述べた。新エンジンを搭載する液晶テレビの商品化については、「2011年の早い段階で、フラグシップモデルの“55ZL1”をヨーロッパ市場に導入していきたい」とした。
また村沢氏はプレゼンテーションの最後に「裸眼3D」の技術開発についても触れ、「日本でも話題になったのでご存じの方も多いだろうが、裸眼3Dに関する技術は、今回残念ながらIFAではお披露目できない。製品の価格、市場への導入時期や製品形態をさらに検討し、10月に日本で開催されるエレクトロニクスショーで何らかのアナウンスメントができるはずと考えている」と語った。
また、ヨーロッパのハイエンドモデルを求めるニーズに応えるべく、3D対応の液晶テレビ「WL768」シリーズが発売される。インチサイズは55/46/40Vで展開する。製品の詳細はSacha Lange氏が紹介した。
「WL768」シリーズは、日本国内で展開する3D対応の“LED REGZA”F1シリーズに相当するモデル。「3D超解像技術 レゾリューションプラス」や4倍速駆動対応のフルHD画素LEDエッジライトパネルを搭載する。3D表示にはフレームシーケンシャル方式を採用し、アクティブシャッター方式の3Dメガネで視聴する。なお本機には「CEVO ENGINE」は搭載されない。
ほかにも、DLNA対応やWi-Fi内蔵を実現し、YouTube動画の再生などネットワークコンテンツも楽しめる。なお録画機能を搭載していないのはF1シリーズと異なる点だ。
パネルの奥行きサイズが2.89cmと、薄型化を実現したのも本機の特徴。プロダクトデザインは日本でも「ヤコブ・イェンセン」として知られる著名スタジオ、Jacob Jensen Design社とのコラボレーションによるものだ。
カンファレンス会場には特別ゲストとして、Jacob Jensen Design Studio社より、Chief Designer & CEOのTimothy Jensen氏が招かれた。
Jensen氏は「当社は1958年にデンマークで設立した会社。これまでにみなさんがよくご存じのコンシューマー製品のプロダクトデザインを手がけてきた。また自社ブランドの時計などもデザインしている。大都市に拠点を置く東芝と、デンマークの郊外にラボを持つ当社のコラボレーションが今回実現した。それぞれの感性を融合させたデザインにしたいと考えた」とコメント。
「デザインを始めるにあたって、テレビとはどんなプロダクトかと、原点に返って見直した。テレビは“マジカル・ワールドへのマジック・ウィンドウ”だ。従来のテレビはハードウェア然としており、そのデザインは見落とされがちだったが、スイッチを切った時の、リビングにあるテレビの佇まいについて考えることはとても重要だと思う」としたJensen氏は、WL768シリーズのデザインについて「日本とスカンジナビアが合流し、“スカンディ・エジアン”コンセプトを作り上げた自信作。スタジオでカットアンドトライを繰り返した成果が宿っている。コンシューマーの方々へ自信を持ってお届けできる良いデザインを実現できた」と自信を見せた。
はじめに東芝ヨーロッパ社プレジデントのAlan Thompson氏が登壇。IFA2010ブースのハイライトについて「テレビとPCの双方で実現した3D技術をお見せしたい。またテレビの新製品に関してはデザインへの注力もアピールできるだろう。さらには新しい提案型のモバイル端末や、東芝オリジナルのコンテンツサービスも紹介していく。ぜひ東芝の新たなビジネスアプローチを体験してほしい」と挨拶した。
続いて東芝ヨーロッパ社Visual Products Head of Marketing、Sacha Lange氏が東芝がヨーロッパで展開する新サービス「TOSHIBA PLACES」、「TOSHIBA MARKET PLACE」を紹介した。
「TOSHIBA PLACES」は東芝ヨーロッパ社が開発したクラウドベースの新サービスとなり、シンプルなユーザーインターフェースを操作しながら、ウェブ経由で動画や写真などのコンテンツがシェアできる。アプリケーションサービス「TOSHIBA MARKET PLACE」には年内までに15社のコンテンツプロバイダーが参加し、多種多様なマルチメディアコンテンツや様々なスペシャルサービスを展開されるという。
サービスに対応する製品として、セットトップボックスとタブレットPCが10月中旬よりフランスを皮切りにヨーロッパ各国へ導入される予定だ。
タブレットPC新製品の紹介は東芝EMEA社Digital Life Products and Services General Manager、Marco Perino氏が行った。「FOLIO 100」はAndroid OS 2.2を搭載した、奥行き14mm、重さ760gのコンパクトなタブレット型端末。NVIDIAの統合型プロセッサ「Tegra 2」を採用し、7時間連続駆動を実現している。HDMI/WiFi/Bluetooth/3G通信をサポートし、1.3メガピクセルのウェブカメラも内蔵している。10.1インチの液晶パネルはマルチタッチ操作に対応しており、フルFLASH対応のウェブ閲覧が行える。SDメモリーカードスロットも装備している。
「TOSHIBA MARKET PLACE」についてPerino氏はコメントを加え、「本機の発売後、IPラジオや動画・音楽再生などが専用アプリケーションで楽しめるようになる。後にeBookサービスも加わる予定だ。10インチのスクリーンに最適化した、使い勝手の良いアプリケーションを提案したい」とした。コンテンツはパートナー企業との協業により制作していく。またサービスのプラットフォームも開放し、東芝の製品以外でも使えるサービスに発展させていく考えであるという。
3D戦略に関する説明は東芝EMEA社Computer System General ManagerのThomas Teckentrup氏が担当した。家電製品については3D対応のテレビ、2D/3D変換技術。3Dゲームに取り組むという。「ディスプレイ、BDプレーヤー、PCやポータブルデバイスなど様々な商品形態で3Dを楽しめるようにしていきたい。第4四半期の早い段階でBlu-ray 3D再生対応のプレーヤーも投入する」という。
ヨーロッパではBlu-ray 3D再生対応のノートPC「Qosmio F60」、「Satellite A665 3D」も発売を予定。それぞれBlu-ray 3D対応のドライブを搭載し、HDMI経由で3Dテレビと接続し、3D再生を行えるようになるという。2D-3Dリアルタイム変換機能も搭載される予定だ。
続いて(株)東芝 ビジュアルプロダクツ社から、映像マーケティング事業部 事業部長の村沢圧司氏がイベントに出席し、ヨーロッパ市場での3Dテレビに関連した取り組みを紹介した。
村沢氏は「グローバル、ヨーロッパともにLCDテレビのマーケットは緩やかではあるが着実に伸長している。ヨーロッパは置き換え需要の大規模なマーケットだ」と説明。マーケットの動向としてはLEDバックライト搭載機や3D、ネット対応など高付加価値モデルへのニーズが近年増加していることから、「今後東芝はさらなる拡大が見込まれる高付加価値ゾーンの商品を強化していく考えだ」と語った。
3D関連の製品については「まだ市場が新しく生まれたばかりだが、今後ヨーロッパでも必ず伸びてくる分野であると期待している。テレビは今後、ますます家庭のコアエンタテインメント商品になる。ユーザーのニーズは、新しい体験、洗練されたデザイン、コミュニケーションツールとしての進化にあると見ている」とした。
村沢氏は「テレビのデバイスで最も大事なのは“エンジン”」であるとし、高画質・高機能を実現するために最も重要なデバイスの一つと位置付ける。東芝は「半導体」と「ソフトウェア」の先端技術を持っており、それぞれを組み合わせた強力な映像エンジンが開発できるメーカーであることを強調。ヨーロッパでもCELLの技術を応用した新エンジンを“CEVO ENGINE”のコードネームで展開する考えを明らかにした。日本と北米では、CELLプロセッサーをベースにしたエンジンを搭載した製品を展開しているが、ヨーロッパでは差別化を図り、「高画質、高速ネットワーク機能や、低消費電力化などエコフレンドリー性能といった、ヨーロッパの地域に根付いたニーズに応える特性を持たせる」と村沢氏は述べた。新エンジンを搭載する液晶テレビの商品化については、「2011年の早い段階で、フラグシップモデルの“55ZL1”をヨーロッパ市場に導入していきたい」とした。
また村沢氏はプレゼンテーションの最後に「裸眼3D」の技術開発についても触れ、「日本でも話題になったのでご存じの方も多いだろうが、裸眼3Dに関する技術は、今回残念ながらIFAではお披露目できない。製品の価格、市場への導入時期や製品形態をさらに検討し、10月に日本で開催されるエレクトロニクスショーで何らかのアナウンスメントができるはずと考えている」と語った。
また、ヨーロッパのハイエンドモデルを求めるニーズに応えるべく、3D対応の液晶テレビ「WL768」シリーズが発売される。インチサイズは55/46/40Vで展開する。製品の詳細はSacha Lange氏が紹介した。
「WL768」シリーズは、日本国内で展開する3D対応の“LED REGZA”F1シリーズに相当するモデル。「3D超解像技術 レゾリューションプラス」や4倍速駆動対応のフルHD画素LEDエッジライトパネルを搭載する。3D表示にはフレームシーケンシャル方式を採用し、アクティブシャッター方式の3Dメガネで視聴する。なお本機には「CEVO ENGINE」は搭載されない。
ほかにも、DLNA対応やWi-Fi内蔵を実現し、YouTube動画の再生などネットワークコンテンツも楽しめる。なお録画機能を搭載していないのはF1シリーズと異なる点だ。
パネルの奥行きサイズが2.89cmと、薄型化を実現したのも本機の特徴。プロダクトデザインは日本でも「ヤコブ・イェンセン」として知られる著名スタジオ、Jacob Jensen Design社とのコラボレーションによるものだ。
カンファレンス会場には特別ゲストとして、Jacob Jensen Design Studio社より、Chief Designer & CEOのTimothy Jensen氏が招かれた。
Jensen氏は「当社は1958年にデンマークで設立した会社。これまでにみなさんがよくご存じのコンシューマー製品のプロダクトデザインを手がけてきた。また自社ブランドの時計などもデザインしている。大都市に拠点を置く東芝と、デンマークの郊外にラボを持つ当社のコラボレーションが今回実現した。それぞれの感性を融合させたデザインにしたいと考えた」とコメント。
「デザインを始めるにあたって、テレビとはどんなプロダクトかと、原点に返って見直した。テレビは“マジカル・ワールドへのマジック・ウィンドウ”だ。従来のテレビはハードウェア然としており、そのデザインは見落とされがちだったが、スイッチを切った時の、リビングにあるテレビの佇まいについて考えることはとても重要だと思う」としたJensen氏は、WL768シリーズのデザインについて「日本とスカンジナビアが合流し、“スカンディ・エジアン”コンセプトを作り上げた自信作。スタジオでカットアンドトライを繰り返した成果が宿っている。コンシューマーの方々へ自信を持ってお届けできる良いデザインを実現できた」と自信を見せた。