新開発エンジン「EXILIM ENGINE HS」搭載
カシオ、新“EXILIM”2機種を発売 − 新機能「HDRアート」や「ハイブリッドGPS」を搭載
■テーマは「写真革命」 − 新たな価値観の提案で市場を活性化させる
同社は本日、製品発表会を実施。常務取締役 営業本部副本部長の樫尾彰氏らが出席し、新製品の特徴や同社の戦略を説明した。
最初に登壇した樫尾氏は、同社が「QV-10」で世界で初めて液晶モニター付きデジタルカメラを市場に投入したことなどを紹介。そして「カメラに液晶モニターを付けるという新しい発想を、なぜカメラメーカーでなくカシオが実現させたのか。その原点は“ゼロからイチを産み出す”という開発姿勢にある」とコメント。「『デジタルカメラを進化させるのはカシオである』という自負の下、慣習にとらわれない新しい発想で、新しい価値を創造してきた」と胸を張る。
また、新製品については「従来の概念を超えた新しい発想のカメラ。テーマは“写真革命”だ」とコメント。「『撮る、見る、記録する』というカメラ本来の性能を高いレベルで実現しながら、『楽しむ』という新しい価値を提案する」と紹介した。
その“新しい価値”として、EX-ZR10の「HDRアート」による「デジタルアートエンターテイメント」と、EX-H20Gによる「トラベルエンターテイメント」の2つを挙げる。そして「このふたつのエンターテイメントはデジタルカメラマーケットに旋風を巻き起こし、成熟市場と言われるデジタルカメラマーケットを活性化させると確信している」と語った。
マーケティング戦略については、同社営業本部 戦略統括部 QV戦略部長の重岡正之氏が説明。今後は“EXILIM”を、常に新しい驚きと感動を生み出すブランド「超発想 アメージング・ギア」と位置づけて、従来の枠を超えた製品開発を行っていくことなどを説明した。
そしてEX-ZR10の「HDRアート」によって「日常の何気ない風景が素敵な、アーティスティックな作品になる」とコメント。世界中の様々な街で新しいアート作品が誕生するとし、「EXILIMは新しいデジタルアートのカルチャーを創っていく。プロモーション活動では世界規模でのグローバルアートギャラリーなどを展開していきたい」と語った。
EX-H20GのGPS機能にも触れ、「EXILIMは『写真を撮る道具』から『旅を楽しむパートナー』へと進化する」と紹介。「これからは世界各地で撮影した画像を、世界地図を見ながら楽しむ時代が必ずやってくると思っている。そうした世界に向けて、ハイブリッドGPSモデルをしっかり展開していきたい」と述べた。
さらに「ファン作りに主眼を置いたマーケティングを展開していく」ともコメント。「EXILIMの個性や世界観に共感して頂ける皆様と、さらに新しいカメラの楽しみ方を創造していく」とした。
また、樫尾氏が「カシオのデジカメ1本で生きてきた」と紹介する同社執行役員 QV事業部長の中山仁氏も登壇。EX-H20Gについて「電池消費が激しいなど、従来のGPSカメラのイメージを一新させた」と語るなど、製品について解説を行った。
そして中山氏も「カシオは、今後もコンパクトカメラにこだわり、カメラ業界の常識にとらわれない新しいエンターテイメントを提案していきたい」と同社の姿勢を強調した。
以下、質疑応答の模様をお届けする。
Q.アートフィルターは他の機種でも実用化されているが、既存のものとどう違うのかを教えて欲しい。
A.既存のものは1枚の画像から簡単なレタッチで変換する技術だ。今回のものはハイスピード連写ベースでないとできないもの。高速連写で合成してダイナミックレンジを広げ、さらにそこからアート変換することで、1枚からの変換ではできない劇的なものができ上がる。
Q.デジカメはコモディティ化が激しい。他社も追随してくるかもしれないが、特許などそこでの技術的な戦略はどう考えているのか。
A.コモディティ化がされていく中でも、私はコンパクト機においてもまだまだ進化の余地はあると考えている。技術が進化さえすれば、実現できることがまだまだあると思う。その中でカシオはコア・コンピタンスであるLSI技術を駆使して、そうしたものを実現していく。今回の製品もまさにその集大成だ。
アルゴリズムについてはなかなか特許化が難しい。常に先を見越しながらアルゴリズムを進化させていき、もっと人に感動を与えるような機能をさらに実現していく、一歩先を常にやっていくというのが重要ではないかと考えている。
Q.御社は国内ではシェアが高いが、グローバルでは少し厳しい状況だと思う。グローバルでシェアを上げるためにどのような戦略をとっていくのか。
A.確かに国内に比べて、ワールドワイドではそれほどシェアは高くない。その中で重要なのは、カシオらしさ、エクシリムらしさを世界でもしっかり訴求していくのが大きなポイントになるかなと思っている。基本的なモデルは当然しっかりしたものを展開していき、その上で差別化されたモデルを展開していく。その差別化されたモデルがスタンダードモデルを引き上げるような中で展開していきたい。「写真革命、新しいデジタルアートの世界を創っていく」というブランディングポイントは世界共通で展開していく。
Q.“新しい価値”を伝えていくためにどんな活動をしていくのか具体的に決まっているものがあれば教えてほしい。
A.まず作例を見てもらうのが最大のポイントだと思っている。その手法としてはウェブをどう使っていくのが軸になっていくだろう。そこに連動した形で売り場での露出なども拡充していく。加えて、体感してもらうことも重要。体感してもらうとそれだけで「凄いな」と思ってもらえるものと考えている。店頭のデモやイベントを含めてやっていきたい。
そして海外では、eグリーティング、グリーティングカード文化がある。そういった仕掛けとのコラボレーションなども含めて展開を推進しているところだ。
Q.こうした機能が実現してくると、次は通信系の展開もやって欲しいというニーズも出てくると思う。こうした点についてはどう考えているか。
A.ネットワークの連携はデジタルカメラにとって欠かせないものになると思っている。しかし、ただ単に通信機能を付けただけでは面白くないので、何か新しいコンセプトを訴えるようなものを打ち出しながら機能を付けていくことを検討している段階だ。
Q.写真文化という話がでているが、いわゆるカメラメーカーはギャラリーを持っていたり、写真教室などのイベントを行っていたりする。そのあたりの展開予定はどうなっているのか。
A.画廊のような物理的な露出は今のところ考えていない。デジタルアートという表現をしているが、デジタルならではなのギャラリーに主眼を置いた仕組み作りを考えていきたい。そういう意味では仮想空間上、ウェブをうまく使ったものを考えてる。コミュニティーサイトのようなものも視野に入れて構築していきたい。
- ジャンルデジタルスチルカメラ/静止画編集
- ブランドCASIO
- 型番EX-ZR10
- 発売日2010年11月26日
- 価格¥OPEN(予想実売価格40,000円前後)
【SPEC】●有効画素数:1210万画素 ●撮像素子:1/2.3型高速CMOS(裏面照射型) ●記録メディア:SDXC/SDHC/SDメモリーカード ●記録ファイル形式:静止画→JPEG(Exif Ver2.3、DCF2.0準拠、DPOF対応)、動画→MOV形式、H.264/AVC準拠、IMA-ADPCM(ステレオ) ●レンズ:光学7倍ズーム ●電源:専用リチウムイオン充電池 ●外形寸法:101.9Wx58.7Hx27.4Dmm ●質量:約149g(電池・付属品含まず)
- ジャンルデジタルスチルカメラ/静止画編集
- ブランドCASIO
- 型番EX-H20G
- 発売日2010年11月26日
- 価格¥OPEN(予想実売価格40,000円前後)
【SPEC】●有効画素数:1410万画素 ●撮像素子:1/2.3型正方画素CCD ●記録メディア:SDXC/SDHC/SDメモリーカード ●記録ファイル形式:静止画→JPEG(Exif Ver2.3、DCF2.0準拠、DPOF対応)、動画→MOV形式、H.264/AVC準拠、IMA-ADPCM音声(モノラル) ●レンズ:光学10倍ズーム ●電源:専用リチウムイオン充電池 ●外形寸法:102.5Wx67.5Hx28.8Dmm ●質量:約172g(電池・付属品含まず)