様々な将来展望を発表
「iVDR EXPO 2011」が開催 - バーベイタムが参入、「iVDRは“最強のメディア”」
そして「HDDやUSBなどのパーソナルストレージは世界で7,000万台から8,000万台あり、国や地域の偏りなく均等に成長している。こうした“美味しい”市場が目の前にある」とコンシューマー向け製品市場への参入の背景を説明する。
また、「パーソナルストレージの国内シェアでは、我々はやっと名前が出てくるかどうかという立場。そして日本では金額ベースで4割、台数ベースで3割が録画機能付きテレビで、そこでは外付けHDDへの録画が中心。一方でPC用のHDD市場は安定してしまいそれほどの伸張は見込めない。我々が我々がシェアを伸ばそうとするとテレビ用途が非常に重要になってくる」ともコメント。
「そうした中でiVDRのシェアはテレビ市場の約2割ほど。これを多いと見るか少ないと見るかは色々あるかもしれないが、現在の我々のパーソナルストレージでのシェアを考えればここを売らない手はない」とiVDR市場に可能性を感じていることを説明した。
■書店ビジネスや中国市場でもiVDRに注目
昨年の「2010年度iVDRコンソーシアムセミナー」にも登場した(関連ニュース)(株)ビジュアルジャパン 代表取締役 山田篤廣氏は、書店における新しいビジネスでのiVDR活用の可能性を説明。
まず山田氏は「電子書籍の波に書店は恐怖を感じているが、音楽配信とCD販売の関係のように、うまくやればプラスになる部分もある。どうアナログとデジタルを融合させるかが書店の大きなポイントだ」と、電子書籍の登場によって変革を求められている書籍業界の現状に言及。「活字文化もちゃんと普及させつつ、さらに新しいユーザーも掘り起こす、そんな戦略が書店でもできるのではないか」と、新たなビジネスを模索していることを説明する。
そこで同社が提案しているのが、書籍以外にも様々なメディアを使ってコンテンツをユーザーへ届ける「ハイブリッド書店」。「テレビも映画もコンテンツ。これらをメディアに入れて書店で売るというビジネスもあり得るのではないか。そうしたときに必要になるのは何かと考えると、様々なメディアを複合的に扱えるiVDRがひとつの候補として上がった」と語る。
そして、事前に書き込んでおいてコンテンツを再生する際に課金するプリレコーディングや店頭でのコンテンツかき込み、さらにはダウンロード販売などiVDRは様々な販売方法に対応できる点に注目したと説明。「付加価値を付けられるメディアとして見たときにiVDRはかなりの可能性があると見ている」と語った。
また、Shanghai RuiHeng Culture Media Co., Ltd / Shenzhen DingDing Technology Co, LTDの張宏偉氏からは、中国におけるiVDRの現状を聞くこともできた。
張氏は「中国では薄型テレビが年間数千万台出荷される状況が数年間続いている。しかしテレビ制作者の編集機器やインフラのHDコンテンツ対応が間に合っておらず、せっかくHD対応テレビを買ってもHDコンテンツを観られない状況だ」と、中国の現状を説明。
そうした状況において、コンテンツをメディアに収納してユーザーへ宅配するサービスや、店頭にコンテンツをダビングできる機械を置くといったサービスが展開される予定があることも紹介。DVDの次にくるメディアとしてBDへ移行するのか、それともほかのメディアに注目するのかコンテンツホルダーも悩んでいるとし、そうした“次のメディア”としてiVDRも注目されていると語った。