6.1型で2,560×1,600画素の液晶も
シャープなど、IGZO新技術開発 − 4Kの13.5型有機ELなど試作、本年度中の量産化目指す【情報追加】
従来のアモルファスIGZOを用いたTFTではゲートBTに対する変動、特に光照射時のBTが問題になっていた。今回のCAAC IGZOでは光照射BTによる影響を低く抑え、信頼性を改善することができ、より安定したTFTの作成に成功している。
新技術によるメリットは大きく分けて、さらなる高精細化が可能なこと、アモルファスシリコンよりもプロセスを簡略化できること、そして有機ELやディスプレイ以外の用途にも応用展開が可能であるという3点。今回発表された試作ディスプレイのうち、最も画素密度が高いのは6.1型液晶の498ppiだが、500ppi以上の高精細化も可能だという。
また、応用展開については、半導体エネルギー研究所 代表取締役の山撫w平氏が「タッチセンサーや電子ペーパーも今までと全く違ったものができる」と説明。ノンディスプレイ用途に対しても「フラッシュメモリーやイメージセンサー、極小電力のCPUなどにも応用できる」と紹介した。
■本年度中の量産化を目指す − 有機ELや4Kテレビへの採用についても言及
シャープ 副社長執行役員 技術担当 兼 オンリーワン商品・デザイン本部長の水嶋繁光氏は、「現状のIGZOと基本的なプロセスは変わらない。大きな追加設備投資が必要であるということではなく、現在のラインを入れ替えていける」と説明。量産化の時期について「本年度中に移行していきたい」と述べた。