6.1型で2,560×1,600画素の液晶も
シャープなど、IGZO新技術開発 − 4Kの13.5型有機ELなど試作、本年度中の量産化目指す【情報追加】
これに関連し、発表会に出席したメディアからは「亀山第2工場で始まっている量産化のラインをすべて新IGZOに移行するのか?」との質問も。これに対し水嶋氏は「IGZOはすべて新IGZOに変えていく」と回答。しかし「ただ、顧客のニーズによるところが大きい。我々の目標としては今年度中に移行したいということだ。要望が増えてくれば亀山第2以外の工場でも対応していく」とした。
また、有機ELへの転用については「モバイルディスプレイの一分野として重要であるとは理解している。しかし求められる市場要求としては精細度、低消費電力、そしてコストというものがあり、そこに応えることが重要。それが液晶なのか有機ELなのかということだ」とコメント。
「技術的には新IGZOを有機ELに応用可能だが、経済的に市場のトレンドにあっているのかというとまだ課題がある」と言葉を続ける一方、「しかしシャープとしてはモバイル液晶分野において有機ELというオプションを持つことは必要だと思っている」とし、今後の展開は顧客企業のニーズによるところが大きいと説明した。
また、4Kテレビへの採用についても「技術的に4Kテレビへ適用できるかと言えばイエスだ。しかし4Kテレビに採用する意義があるかということでは、もう少し議論の余地がある」とコメント。「単に優れた技術だから搭載すればいいというものではない。しっかりした戦略を考えなくてはいけない」とし、「IGZOの特性を100%発揮できるモバイル液晶へまず搭載していく」と言葉を続けた。
■「モバイル液晶分野の成長にはIGZOが不可欠」
発表会の席上、水嶋氏は今回の新技術だけでなく、IGZO全体の特徴についても改めて説明。電子の移動度が高いことによりTFTの小型化と配線の細線化を実現できること、アモルファスシリコンTFTと比べ、同等の透過率で2倍の高精細化が可能であることなどを説明した。