6.1型で2,560×1,600画素の液晶も
シャープなど、IGZO新技術開発 − 4Kの13.5型有機ELなど試作、本年度中の量産化目指す【情報追加】
また、OFF性能が高いことを利用し、低消費電力化できる点も特徴。映像が変わっても変わらなくても1/60秒ごとに画面を書き換えている従来の駆動方式に対し、映像が変わらない限り駆動を休止して書き換えない新駆動方式に対応できるようになり、従来比で1/5〜1/10という低消費電力化を実現した。従来のアモルファスシリコンで休止駆動に対応しようとするとフリッカーが出てしまうのだという。
加えて、タッチパネルの高性能化も可能。従来はタッチを検出するため液晶パネルとタッチパネルの両方を常時駆動させているが、液晶パネル駆動時に発生するノイズがタッチパネルの検出精度に影響を与えるという問題がある。IGZOでは液晶パネルが駆動しているときはタッチパネルを休止させ、タッチを検出したときには液晶パネルを休止させるという新システムに対応。タッチパネルのS/N比を5倍に向上させた。
そのほか、アモルファスシリコン同等のシンプルな製造プロセスであるため、生産性が高い点も特徴。「モバイル液晶は年率17%で伸びている成長分野。シャープの重要な事業領域だ」とする水嶋氏は、高精細、低消費電力、タッチパネルといった点がモバイル液晶に求められる特性だとし「IGZO液晶はまさにこうした市場要求に応えるもの。モバイル液晶分野の成長にはIGZOが不可欠だと思っている」と語った。
そして「モバイルディスプレイの根本を変革する力があると確信している」とコメント。新IGZOが様々なディスプレイの革新につながるとし、「現在、シャープは唯一IGZOディスプレイを量産している。今回の新IGZOもできるだけ早期に量産化する。IGZO技術はモバイル液晶のコア技術になりうるものであり、この技術を有するものがモバイル液晶の大きな成長を享受できると考えている」と述べて会見を締めくくった。