フリーフォームディスプレイやMEMS液晶の特徴を説明
新ディスプレイで液晶は“フレームレス”へ − シャープが中小型液晶の説明会開催
「液晶で不満の大きい、低温での応答速度はMEMSが圧倒的に有利だ」などMEMSの特徴を説明し、「最終的にはお客様の判断になるが、色が鮮やかに出せたりだとか低消費電力であったりなど、そういう点を活かしていただけるようなものにまず提案を行っている」と続けた。
なお、MEMSディスプレイでは色温度でNTSC比120%を実現。「通常の液晶でこれをやろうとすると消費電力が非常に高くなってしまって現実的ではない」と言葉を添える。また、低温での応答速度についても「開発中のため具体的な数字はまだ出せないが、温度によって応答速度が変わらないというのがMEMSの特徴だ」と説明した。
そのほか今井氏は、中小型液晶の需要について、スマートフォン/タブレット向けが今後も年15%程度の伸張率で推移し、2017年には2013年比で1.7倍規模になると見込まれること、同じく車載機器向けも年8.7%で成長し1.4倍程度の市場になるという予測も紹介。
加えて、スマホ/タブレットでは高精細化も進み、2017年にはスマホ全体の44%、タブレット全体の56%がフルHD以上のディスプレイを搭載するようになることが見込まれるという。
こうした状況に対して同社では、500ppiクラスのWQHD(2,560×1,440)という超高精細パネルを三重第3工場で、IGZOを含む400ppiクラスのフルHDパネルを亀山第2工場で生産するという棲み分けを行っていると紹介。それぞれに特化した生産体制をとることで、市場のニーズに応えやすいようにしているとした。
また、今井氏は「LTPSやIGZO、アモルファスシリコンという3つの技術を有しているのが我が社の特徴。多用なニーズに応えられる」ともコメント。それぞれのパネルの特性を改めて解説したほか、中小型液晶の生産拠点が亀山、三重、天理という車で1時間程度と比較的近い場所にあることで技術リソースの融合などが生まれやすいといったメリットもあると述べるなど、同社中小型液晶における総合的な特徴をアピールした。