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Dnote技術でPCからドライバーまでフルデジタル伝送&再生

オーディオテクニカ、フルデジタルUSBヘッドホン「ATH-DN1000USB」

公開日 2014/10/16 16:00 ファイル・ウェブ編集部
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オーディオテクニカは、“Dnote”技術を採用したフルデジタルUSBヘッドホン「ATH-DN1000USB」を11月21日に発売する。価格はオープンだが、税抜59,880円前後での販売が予想される。

ATH-DN1000USB

「Dnote」はTrigence Semiconductor(トライジェンス)社のデジタル信号処理技術。同技術を採用したオーディオ製品としては、クラリオンのBluetooth対応フルデジタルスピーカー「ZP1」などが発売中だが、量産品のフルデジタルヘッドホンは「ATH-DN1000USB」が世界初となる。

会場に出展された「ATH-DN1000USB」。試聴スペースには多くの来場者が列を作っていた

一般的なヘッドホンはデジタル信号をUSB-DACやポータブルプレーヤー側でアナログ信号に変換し、そのアナログ信号を再生する。一方Dnoteでは、デジタル信号にオーバーサンプリングとデジタル変調をかけ、複数のデジタル信号に変換。ここから必要な音声信号だけを選別・抽出し、最適な状態に合成してヘッドホンの4つのCCAW製ボイスコイルにダイレクト伝送して直接駆動する。

プラス極とマイナス極の合計4つのボイスコイルに「0」もしくは「1」の信号を入力すると、-4から+4まで9通りの動きが再現できる。これにデジタル変調された粗密情報を持つ信号を組み合わせることで、幅広い帯域を再生できるという。振動板をダイレクトに振動させられるため、信号伝送時の劣化等を考慮しなくて良いのがメリットとなる。

従来の同社USBヘッドホンの駆動形式と、ATH-DN1000USBに搭載されたDnoteによる駆動方式の比較図

新開発のマルチボイスコイルを採用。4基のコイルに直接デジタル信号を送って振動板を駆動させている

ヘッドホン部はφ53mm密閉ダイナミック型ドライバーを搭載。こちらはフルデジタル再生に最適化した、新開発のマルチボイスコイル構造を採用しているのが特徴となる。再生周波数帯域は5〜40,000Hz。ハウジングは不要振動を抑制するアルミニウム製とした。

Windows 8.1/8/7、Mac OS Xを搭載したPCと接続して使用でき、最大192kHz/24bit信号に対応する。電源はUSBバスパワー方式。消費電力は平均300mAh(5V)となる。

ATH-DN1000USBの側面部。こちらのL側にDnoteを含む駆動システムが収納されている

ATH-DN1000USBの付属ケーブルのUSB端子部。ケーブルは着脱式を採用している

ケーブルは着脱式で、TypeA to microBタイプのものが付属する。将来的にLightningコネクタでiOS端末に直挿しできるケーブルが発売される見込みは?と尋ねたところ「Dnote技術搭載モデルでそういったものは考えていない」とのことだった。

フリーアジャストヘッドサポート機構(PAT.P.)により、頭に装着するだけで快適にフィット。加えて、長時間リスニングに向く圧迫感のないトータルイヤフィット設計としている。

ヘッドバンド部にはフリーアジャストヘッドサポート機構を採用

ATH-DN1000USBのイヤーパッド部。付け心地も考慮されている

なお、今後の反響により、本機の上もしくは下のモデルなどラインナップ拡充も検討していきたいとのことだ。


デジタルとアナログの特徴を活かしきる音づくりに注力

発表会には、開発担当の築比地健三氏(第一技術部)と企画担当の高橋俊之氏(商品企画部)が登壇し、製品の特徴を説明した。

開発担当の築比地健三氏(第一技術部)

企画担当の高橋俊之氏(商品企画部)

築比地氏は「製品開発にあたり苦労したのは音づくり。デジタルとアナログの特徴をどちらも活かしきるのが難しかったです。デジタルは音の立ち上がりが良くクリアなサウンドが持ち味。これにオーディオテクニカのアナログの音づくりのノウハウを投入することで、リアリティ溢れるサウンドを目指しました」とコメント。

会場ではパソコンと組み合わせてハイレゾ再生のデモが行われていた

高橋氏は「本機はスピード感溢れるサウンドと、伸びのある低域が特徴です。これまで我々はオープン型のAシリーズを展開してきましたが、そちらとは違うテイストを出せたのではと思います。オーディオテクニカはヘッドホンを作りはじめて40年目。新しいことにチャレンジしたいという声があり、技術的にも外観的にも先進的な製品にしました」と語っていた。

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