増収増益もモバイルでの減損などで1260億円の赤字
ソニー、テレビ事業が11年ぶりに通期黒字を達成
以下、質疑応答の模様をお届けする。
Q.新年度の構造改革費用はどれくらいになる見通しなのか
A.会計上で構造改革費用に認められるものは350億円を予定している。それに加え、PCの撤退に伴うアフターサービス費用が100億円弱かかる。合計で450億円弱とご理解いただければと思う。
Q.平井社長が昨年、2015年度営業利益4,000億円を目指せるという話があったが、これとの差をどう捉えているのか。為替の影響か。
A.4,000億円の目線については変更ない。平均レートと想定レートの比較では1,500億円ほどのマイナス影響があることと、モバイルの構造改革が1年遅れになってしまったという背景がある。
Q.分社化。あらためてスケジュール感や、進捗感を聞きたい。
A.V&Sは10月の分社化で予定通り進めている。他分野は現時点では具体的に申し上げることはない。
Q.為替対策は今後どうしていくのか。
A.コストと数量とプライスの組み合わせでやっていくしかないと思っている。変動のスピードが早いとどうしても影響が出てしまう。地道に3つを積み上げていくことが対策になる。
Q.デバイス分野。デバイスは市場競争が激しいがリスク要件をどう考えているのか。
A.半導体事業はリスクは確かにあるが、当社の裏面照射、積層の技術は競争力を持っていると認識している。変動が激しいモバイル市場が最大のマーケットなので、リスクはあると思っている。そこへの対応ということでは、積層型のイメージセンサーはセンサーサイドとロジックサイドを張り合わせた形になっている。ロジックは全量を外部に委託していて、センサーサイドは基本的に内製だが一部外部に委託している。ここもひとつリスクを下げる要素かなと考えている。
Q.モバイルについて、今期の販売台数減らしているが、この900万台をどこの領域で落とすのか具体的にききたい。
A.商品と地域というふたつの軸がある。商品軸では高付加価値帯と中級価格帯で考え、中級価格帯を下げていく。地域では、発表している通り中国から大幅撤退ということにしている。また、中級価格帯は地域に関わらず引き下げていく。
Q.デバイス分野の2015年度の見通しについて聞きたい。牽引役になるのはモバイルなのか。電池分野はどう見ているのか。
A.イメージセンサーは中期ではスマホを中心にしたモバイルだと見ている。車載についてはより長い時間軸で考えている。電池事業については安定した形で運営していきたい。15年度も黒字を維持する計画だ。
Q.半導体で2900億円の投資を行っているが、この2900億円は今年度に限ったものなのか。それとも今後もこの水準を続けていくのか。
A.どちらかと言えば、イレギュラーに大きい数字だと言える。今後はこれよりは小さい数字になっていくと思う。