増収増益もモバイルでの減損などで1260億円の赤字
ソニー、テレビ事業が11年ぶりに通期黒字を達成
G&NS分野の売上高は、前年度比33.0%増加し、1兆3,880億円。PS3のハードウェア及びソフトウェアは減収となったが、主に、PS4のハードウェアの販売台数の増加、ネットワークサービス収入の大幅な増加、為替の影響、ならびにPS4のソフトウェアの増収により、分野全体で大幅な増収となった。
同分野の営業損益は、前年度の188億円の損失に対し、当年度は481億円の利益。PS3のソフトウェアの減収による影響、コストの米ドル建て比率が高いことによる米ドル高の損益に対する悪影響、及びPS VitaやPS TV用の部品に対する評価減112億円の計上があったが、主に前述の増収の影響により、分野全体で大幅な損益改善となった。
デバイス分野の売上高は、前年度比23.9%増加し、9,578億円。営業損益は、前年度の124億円の損失に対し、当年度は 931 億円の利益となった。この大幅な損益改善は、主に、イメージセンサーの増収の影響、前年度に電池事業において321億円の長期性資産の減損を計上したこと、ならびに為替の好影響によるもの。
そしてこれらエレクトロニクス5分野の2015年3月末の棚卸資産合計は、前年度末比576億円(9.3%)減少の5,612億円。2014年12月末比では1,087億円(16.2%)の減少となった。
■映画・音楽・金融分野
映画分野の売上高は、前年度比5.9%増加し、8,787億円(米ドルベースでは4%の減収)。営業利益は、米ドルに対する円安の好影響により、前年度比69億円増加し、585億円となった。なお、当年度において、2014年11月に認識したSPEのネットワーク及びITインフラに対するサイバー攻撃に関連して、主に調査及び復旧のための費用約41百万米ドル(49億円)を計上している。
音楽分野の売上高は、主に米ドルに対する円安の影響により、前年度比8.2%増加し、5,446億円。前年度の為替レートを適用した場合、世界的なパッケージメディア及びデジタルダウンロードの売上の減少があったが、デジタルストリーミング配信売上の増加による影響などがあり、分野全体の売上高はほぼ前年度並みとなった。営業利益は、前年度比88億円増加し、590億円とった。これは、円安の好影響、EMI Music Publishingを中心とした持分法による投資利益の増加、ならびに広告宣伝費の減少などによるもの。
なお、今年度のヒット作品には、ワン・ダイレクションの「フォー」、AC/DCの「ロック・オア・バスト」、メーガン・トレイナーの「タイトル」、乃木坂46の「透明な色」、マイケル・ジャクソンの「エスケイプ」などがある。