パナソニック小塚氏、ソニー篠原氏に訊く
<CES>4K/HDRテレビの認定基準“Ultra HD プレミアム”登場の背景とは?UHDAのキーマンに直撃!
■「Ultra HD Blu-ray」のパッケージにも「Ultra HD プレミアム」のロゴを付与
CES 2016の会場では、この「Ultra HD プレミアム」規定が発表されたこともあり、既に世界に複数箇所ある「Ultra HD プレミアム」の試験機関を通し先行して認証を通過したモデルが出展されていた。筆者が確認した中では、パナソニック、サムスン、LGが対応テレビを発表・展示していた(ソニーは「Ultra HD プレミアム」のロゴには賛同しているが、現時点ではテレビに付与していない)。
これら「Ultra HD プレミアム」対応のテレビが米国で発売される際には、「Ultra HD プレミアム」のロゴを付与した状態で店頭にならぶ可能性が高い。「Ultra HD プレミアム」のロゴは虹色のトロフィーを図式化にしたもので、優れた画質の商品である墨付きの証となる。
この「Ultra HD プレミアム」ロゴは、Ultra HD Blu-rayのパッケージにも付けることができ、FOXとワーナーはリリース作品への付与を予定している。つまり、「Ultra HD プレミアム」のロゴの付いた作品を制作者の意図通りのクオリティで見るためには、「同じロゴの付いた薄型テレビを購入してほしい」というスタジオからのメッセージにもなる訳だ。
なお、映像配信サービスにおける「Ultra HD プレミアム」ロゴの扱いは、現時点では未定。例えばNetflixでHDR対応サービスが始まれば「Ultra HD プレミアム」を付ける資格があるともいえるが、実際にはNetflixには当然SDRコンテンツも混在する。そうなった時に「Ultra HD プレミアム」を作品単位で付けた方が良いのでは……などなど様々な可能性が考えられた上で、現時点では未定とされている。
最後にHDRの普及を巡っては、HDR10の他に、ライブ放送向けには「HLG」(ハイブリッドログガンマ)の決定が有力視されている。これに対しては、UHD Allianceにも「DirecTV」や「Orange」など放送事業者が参加している事もあり、その動向を注視しているとのこと。もしかしたら、「HLG」の規格に対しても「UHD Alliance」を通して検証がなされることになるかもしれない。
設立からわずか1年の短期間で早速「Ultra HD プレミアム」という大きな成果を残したUHD Alliance。Ultra HD Blu-rayのみならず、影響力を増すNetflixら映像配信サービスまでカバーする業界団体によって統一基準が設けられたことは、今後我々が目にするコンテンツ、そして映像体験に大きな影響を及ぼしていくことになりそうだ。
(折原 一也)