新開発映像エンジン搭載
東芝、液晶“REGZA”フラグシップ「Z810X」。65/58/50型で展開
「ローカルコントラスト復元」では、局所的な黒つぶれ、白とびの箇所を抽出。それを陰影成分と骨格成分に分離し、映像全体のコントラスト制御と連携することで、つぶれた陰影成分を復元する。映像の局所的な黒つぶれと白とび(色飽和)の抑制し、映像全体のコントラスト制御と組み合わせることにより、自然で豊かな階調表現を実現するとしている。
肌の質感を美しくリアルに再現するという「美肌リアライザー」も搭載。同機能では、肌色の輝度ヒストグラムを解析し、顔の最明部が映像の最大輝度かをチェックして階調特性を制御。明るいシーンでの顔のハイライト部分の色飽和を抑えることにより、立体感のある質感豊かなリアルな肌の再現を図っている。
なお、本機能は既発売の「Z20X」にも昨年のファームウェアアップデートによって同等の機能を搭載済み。Z20Xユーザーは本機の発売に先駆けて美肌リアライザー相当の画質を体験できていたことになる。
従来のHDR復元機能を、AI技術を活用した「AI機械学習HDR復元」として強化。同社が従来編集とHDR編集の映像素材の比較から得たパラメータから、機械学習によって復元テーブルを作成。従来編集の映像も高精度にHDRクオリティに復元し、高コントラストな映像を再現するという。
AIを活用した新機能としては「AI深層学習シーン解析高画質」も搭載。同機能では、5層のニューラルネットワークによる深層学習により、入力映像をシーン解析。映像の種類を認識することにより、自動画質調整の精度を向上させている。例えばニュース映像中のゴルフシーンやバラエティ途中のアニメシーンでも、それぞれ適切に画質を調整するのだという。
そのほか「広色域復元プロ」も従来から引き続き搭載。64色軸の高精度色空間処理で、物体が反射する色の限界を超えない自然な色彩を再現する。
インターネット映像のアップコンバート機能として「ネット映像オートピクチャー」も搭載。ネット配信映像の解像度をリアルタイムに判別し、適切な超解像処理・ノイズリダクション加えることでスムースで高画質な4K映像を再現するという。
4K入力対応のHDMI端子を4系統装備し、「HDMI入力自動画質調整」機能も搭載。HDMIの音声フォーマットで録画放送とBDソフトを判別することで、再生側の機種に依存することなく、それぞれに適切な画質で再生できるようにした。
さらに、夜景や星空、ライブシーンでの楽器の反射など、暗いシーンで再現しにくい「きらめき感」を復元することを目的とした「きらめき復元」機能も装備。星や照明などの「きらめき」を正確に抽出し、暗いシーンの中でも点状の高域成分を増幅することにより、ギラツキやノイズのないクリアな「きらめき感」を表現するという。
音質面では、前面放射配置で高域を再現する「ノーメックスドームツィーター」や、耐入力の向上と低歪化を実現したというフルレンジスピーカーを、総合出力46Wのマルチアンプで駆動。DSP制御により瞬間最大出力を向上させる「スマートパワーオプティマイザー」も備えている。
サウンドイコライザーも、中高域の補正バンド数を、従来の「レグザ サウンド イコライザー プロ」での120バンドから、213バンドへ増やした「レグザ サウンド イコライザー ファイン」を搭載。中高域の分解能を高め、さらに緻密な音を再現できるよう図った。
加えて、別売オプションの“レグザサウンドシステム”「RSS-AZ55」との連携においては新たなシンクロモードを搭載。従来(Z20X)はレグザサウンドシステムとレグザ本体のトゥイーターから高域を再生していたが、今回、レグザサウンドシステムおよびレグザ(Z810X)本体のトゥイーター、さらにフルレンジスピーカーの高域成分を同時に再生するようにし、さらに広がりと奥行きのあるサウンドを実現したとしている。