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DSPも刷新

マランツ、13.2ch対応の旗艦AVプリ「AV8805」。全chにディスクリート独立基板、HDMI 2.1対応も

公開日 2018/02/28 11:00 編集部:小澤貴信
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この15.2ch分の端子を用いて、フロアスピーカー(グランドレベル)が最大9ch、トップ/ハイトチャンネルが最大8ch(同時再生は最大6ch)の中から、最大15chをアサイン可能。最大プロセッシング数より端子数が多いのは、推奨スピーカー配置が異なる各フォーマットを認識して、スピーカーを自動で切り替えるため。例えば、アトモス再生時はトップミドルに、Auro-3D時はフロントハイトに自動で切り変えるといったことができる。

XLR端子出力が合計15.2ch分並ぶ背面端子。XLR入力、7.1chアナログ入力などハイエンド機ならではの端子も用意AV8805のスピーカー構成を示すGUI。天井に6ch分のトップスピーカーが示されているのがわかるだろう


AV8805のスピーカー構成を示すGUI。天井に6ch分のトップスピーカーが示されているのがわかるだろう


最大7.1.6chのアトモスなどイマーシブオーディオの最高峰システムに対応

フォーマット別の対応については、ドルビーアトモスでは最大で7.1.6ch/9.1.4ch(フロア:7.1ch+フロントワイド2ch)の再生が可能。DTS:Xではフォーマット上限の5.1.6ch/7.1.4 ch/9.1.2chの再生に対応する。

ハイトスピーカー信号を含まない従来のチャンネルベース作品も、Dolby SurroundやNeural:Xで3Dサウンドにアップミックスできる。

7.1.6ch/9.1.4chのドルビーアトモス、13.1chのAuro-3Dなど家庭用として最高峰のイマーシブオーディオ環境が構築が可能

Auro-3Dについても無償のファームウェア・アップデートで対応予定。具体的な対応時期は決定し次第アナウンスされるとのこと。

Auro-3Dは、5.1chにフロントハイト2chとサラウンドハイト2chを追加した9.1chを基本に、サラウンドバック、センターハイト、トップサラウンドを加えた最大13.1chシステムが構築できる。Auro-3Dについても、Auro-Maticによる3Dサウンドへアップミックスが可能だ。

8基のDACを搭載/DSPを最新世代へと刷新

D/A変換部については、旭化成エレクトロニクス(AKM)の32bit対応ステレオDACチップ「AK4490」を8基使用して、13.2ch(15ch分)のD/A変換を行う。D/A変換回路は専用基板として、映像回路やネットワーク回路から独立させることで、ノイズの影響や干渉も排除している。

8基のDACチップを搭載したD/A変換回路基板

チャンネル数の増加もあり、このDAC回路も回路パターンや部品を見直して新設計された。出力段のオペアンプやコンデンサーもグレードアップし、出力信号の帯域幅をさらに拡張することに成功したという。

高仲氏は「サブウーファーも含めた全chを同一クオリティーでD/A変換することで、マルチチャンネル・サラウンドの強みである音の繋がりの良さをさらに追求しました」と語っていた。

アトモス/DTS:Xのレンダリングやサラウンド音声のデコードを担うDSPについては、新たにアナログデバイセス社のデュアルコア仕様・32bitフローティングポイントDSP「SHARC」を2基搭載。デュアルコア化、動作周波数の向上により、従来機の4基搭載から数を減らせているにも関わらず、処理能力を12.5%アップさせたという。

最新DSPを備えたデジタル回路基板。ヒートシンクを備えた緑色の部分はネットワークモジュールだ

大幅な刷新が行われたボリューム回路

アナログオーディオ回路も全面的に設計を改め、レイアウトの最適化および信号ラインの最短化が行われた。特にボリューム回路は、これまでは単一のICに統合されていた入力セレクター/ボリューム/出力セレクターを、各機能に特化した特注品のデバイスに置き換えた。これにより、専用デバイスによる高性能化、さらには理想的な回路パターンを実現。チャンネルセパレーションのさらなる向上が可能になったという。


全面的に設計が刷新されたボリューム回路基板
なお、入力セレクター/ボリューム/出力セレクターを専用デバイスとした更新は、先行するSR8012でも実現されている。

Hi-Fiグレードのトロイダルトランス/カスタムコンデンサーを搭載

電源トランスは、AV8802から引き続き、マランツの上位クラスHi-Fiコンポーネントと同等グレードの大型トロイダルトランスを採用。OFC巻線を用い、さらには二次巻線をDAC回路、アナログオーディオ回路、プリアンプ回路などの回路ごとに分けることで相互干渉を排除する。また、非磁性体のアルミをケース用いることで外来ノイズを遮断し、トランスから周辺回路への輻射も抑制している。


大型のトロイダルトランスを採用
さらに5mm厚のアルミプレートと1mm厚のスチールプレートを組み合わせたハイブリッド・トランスベースの上にトランスを配置することで、トランスとシャーシのアイソレーション。振動および磁気による音質への影響を抑えている。

アナログオーディオ回路用の電源には、本機のためにエルナー社と新開発したカスタムブロックコンデンサーを搭載した。

次ページさっそく音質をチェック。想像以上だった従来モデルとの差

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