HOME > ニュース > マランツ、13.2ch対応の旗艦AVプリ「AV8805」。全chにディスクリート独立基板、HDMI 2.1対応も

DSPも刷新

マランツ、13.2ch対応の旗艦AVプリ「AV8805」。全chにディスクリート独立基板、HDMI 2.1対応も

公開日 2018/02/28 11:00 編集部:小澤貴信
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

また、『ブレードランナー』でもやはりAV8805の方が、遠近のコントラストがより明快に描かれている印象で、前方から試聴位置付近に向かってくるSEが生々しく、より間近に感じる。こうした印象はAmazeでも同様だった。遠くから聴こえる細かい雨音との対比を含め、さらに優れた没入感が得られると言える。


AV8802(上)とAV8805(下)
やはり空間はひとまわり大きく感じるのだが、前述の空間を横切るSEをはじめ音の繋がりが非常にシームレス。また、主人公が立ち入った工場は閉鎖された空間なのだが、その空気もより濃密に感じる。

セパレーションや情報量、見通しの良さにおいて、従来機も優れた性能を誇るのだが、聴き比べると、いずれの点でもAV8805の方がより優れていると感じた。アンプ性能の底上げと、DSP刷新によるレンダリング性能の向上やch数の増加の効果、両方がこの結果に表れているのだろう。

試聴に立ち会った尾形氏は、本機の開発にあたって特に注力した点について「AVアンプの永遠のテーマであるS/N、静けさの描写」「空間の広さ」「3D空間に音が溶け込んでいくことを大事にしつつ、微細音における分離感や音像のフォーカス感をさらに高めること」を挙げていた。

マランツの旗艦AVプリの系譜/AVプリの意義とは?

内覧会では、高山氏がマランツのAV8805に至るAVプリの系譜について紹介した。そもそもマランツのAVアンプは、1994年に登場したAVプリアンプ「AV550」から始まっており、当初から強いセパレート志向を持っていたという。

マランツAVプリの進化の歴史を紹介

そこから時間が経ち、日本に導入された最初のマランツのAVプリは、2008年登場の「AV8003」(関連ニュース)なのだという。ドルビーTrue HDやDTS-HDマスターオーディオなどのいわゆるHDオーディオに対応した高級モデルが各社から出そろったタイミングの旗艦機とあって、印象に残っている方も多いだろう。同社AVアンプとしてはじめてDLNAに対応し、DTCP-IP対応によってデジタル放送の録画もネットワーク経由で本機から視聴できるなど、先進機能の搭載も特徴としていた。

2013年に登場したAV8801(関連ニュース)は、初めて各チャンネルを独立基板としたプリアンプ回路を採用。2015年に登場した一世代前の「AV8802」においては、独立基板かつフルディスクリートというプリアンプ回路の搭載が実現した。そして、今回のAV8805に至ることになる。

高山氏はAVプリアンプの存在意義についての存在意義にも言及。電源の安定供給、ノイズ対策、放熱対策、スペースの確保も重要になるマルチチャンネル再生におけるクオリティ追求など、あらゆる面でセパレートAVアンプにメリットがあると述べた。

また、フォーマットの変遷が早いAV領域を担うプリ部を、ライフサイクルの長いパワーアンプから独立させることで、ユーザーにとっても、よりフレキシブルなシステム構築が可能になるとした。

次ページHDMI2.1にも有償アップデートで対応予定

前へ 1 2 3 4 5 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク