11月中旬発売、36.5万円
パイオニア、最上位UHD BDプレーヤー「UDP-LX800」。物量&ノウハウで「最高のディスク再生」
BDP-LX88からは、高剛性・低重心・高制振性を備えた筐体構造を継承している。サイドはアルミ製パネル(LX500はサイドと天板を一体化させたトップカバーを採用)で、底面にはリジッドアンダーベースを配置。脚部には亜鉛ダイキャストのインシュレーターを採用している(LX500は樹脂製)。またディスクトレイを筐体からダンピングする「Acoustic Damper Tray」も継承した。
■低ノイズ設計を徹底してS/Nを追求
高S/N化についても特に力を入れ、UDP-LX800では電気回路基板の徹底した低ノイズ設計を行った。オーディオ基板についても、LX500が両面基板だったのに対して、LX800では4層基板を用いている。これらの点については、PD-70AEで得たエッセンスを注入したとのこと。まずDACチップについてはPD-70AEでも採用された8ch DAC「ES9026PRO」を、やはり同様に2基用いてパラレル駆動する。
またオーディオ基板については、PD-70AEと同様にL/R chの中央にバスバーを配置してGND(グランド)を安定化。電源およびグランドの低インピーダンス化を徹底し、ノイズループも極小化させたという。
筐体内を3ブロックに分割し、それぞれに電源・ドライブ/デジタル回路・アナログオーディオ回路を配置。電気的・時期的な相互干渉を除去する3分割シャーシをBDP-LX88から継承した。また各ブロック間に高剛性の梁構造を設けることで高い剛性も両立させている。
高S/N化に貢献する新機能として用意されたのが、アナログ音声を高純度化する「DIRECTモード」とデジタル音声を高純度化する「TRANSPORTモード」の採用だ。アナログ出力による音声を再生する場合には「DIRECTモード」を選択すると、不要なデジタルオーディオ回路や映像回路をオフにする。
HDMIなどデジタル出力で再生する場合は、「TRANSPORTモード」を選択すると、不要なアナログ回路の電源、電源トランスへのAC100Vがカットされる。これにより、よりいっそう純度の高いアナログ音声/デジタル音声を出力できるという。なお、いずれのモードもリモコンおよび本体ボタンから切り替えられる。
内覧会ではTRANSPORTモードのデモも行われた。この機能について平塚氏は「TRANSPORTモード時はトランスへの電源供給も一次側から停止している。トランスは微弱に振動しているが、これもカットできるので、音質はもちろん、画質にも効いてくる」とその効果をアピールしていた。
また、これもUDP-LX800のみの仕様となるが、オーディオ専用電源として大容量電源トランスを搭載。さらに電源トランスおよび電源回路には、それぞれ制振塗装を施した定在波抑制カバーを用いて不要輻射や定在波を抑制する。さらに電源トランスカバーにはf字、電源回路カバーにはへ音記号をプレスすることで振動モードも調整。筐体内の響きにも考慮しているとする。
各回路に用いる部品も吟味。電源用の電解コンデンサーには専用品を用いて、低域の安定感や中低域のふくよかな表現を狙ったという。また、XLRおよびRCAのアナログ出力端子は部品メーカーと共同開発。こちらも音質向上に寄与しているとのことだ。
■HDMI出力のクオリティも磨き上げた
映像系プレーヤーとAVアンプの両方を手がけるパイオニアは、HDMIの高音質化にも長年にわたって注力してきた。
HDMI端子はメイン/サブの2系統を搭載。2系統のHDMI端子で映像信号と音声信号をセパレート伝送することで音質を高める「セパレートモード」は、BDP-LX91から継承する機能となる。HDMI出力についてはほかにも「シングルモード」「ピュアオーディオモード」も用意する。