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【特別企画】

パイオニア「BDP-LX88」1万字レビュー − 最高峰モデルの画質・音質を貝山知弘が徹底分析

公開日 2014/12/22 12:12 貝山知弘
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BDP-LX88の試聴機を箱から出そうとして驚いた。ずしりと重い。本機が頑強な筐体を採用していることは解っていたので重いことは予測していたが435W×131H×339Dmmという手頃な大きさで自重14.2Kgという数値は一般的なBDプレーヤーやBDレコーダーの重量を大きく超えている。

パイオニア BDP-LX88(税抜¥278,000)

1.0mm厚鋼板製トップパネルを外すと、3分割したシャーシーの構造が現れる。左手のブロックは電源トランスと電源基板が、中央ブロックにはディスクの回転メカが、中央後方にはメイン基盤がとりつけられ、右のブロックには部品がぎっしりと並んだアナログオーディオの基盤が取り付けられている。シャーシー内を仕切る板は頑強な梁構造で強く押してもびくりともしない。頑強さの指標となる数値は次の通りだ。底面/1.6mm鋼板+3.0mm厚レイヤードシャーシーを重ねた構造で堅牢であると同時に安定性が高い。前面/1mm厚の鋼板フロントベース側板/1mmの鋼板+アルミ板。

BDP-LX88の筐体は非常に堅牢な構造となっている

ディスクの回転メカ(BDドライブ)では大なり小なり振動が発生する。この振動が筐体に伝わると、あらゆる箇所でその影響が出る。これを防ぐためにはメカ自体の工作精度を高くしてディスクを滑らかに回転させ、その振動をメカを支える部分(メカベース)で抑えきることだ。本機ではメカベースとシャーシーをスプリングを使った独自のフローティング構造で振動を吸収している。メカベース自体はあくまでも頑強で、信号の遮蔽能力も高い。そしてメカ全体を囲むシールドケースには黒色制振塗装を施し万全を期している。振動対策は筐体全体を支持する脚部でも行われている。ここで使用されているのは新規に開発した亜鉛製のインシュレーターだ。細部まで行き届いたBDP-LX88の振動対策は万全だと言っていい。

徹底的な振動対策を施した「リジッド&クワイエットドライブ」を搭載

インシュレーターは専用開発の亜鉛ダイキャスト製

オーディオ機器で高音質を実現するためにもう一つ重要なのがノイズの除去で、これも避けては通れない課題である。BDP-LX88のように各ブロックを電波的に遮蔽(シールド)している効果はノイズの低減に直結している。プレーヤーの中には、電源回路、ディスクの回転系を含めたデジタル回路、アナログ回路があるが、これら性格の異なる回路同士が遮蔽なしに同じ空間で共存していると、互いの信号が干渉しあい、たちまちノイズが発生するのだ。BDP-LX88のノイズ対策は、ほぼ万全だといっていい。ノイズ源になりやすい電源トランスなどはブロックで遮蔽した上、さらに本体を専用のシールドケースに納め万全を期している。

内部は三分割構造で、向かって左に電源基板と電源トランスを、中央にメイン基板を配置。それぞれはシールドケースで保護され、ノイズを遮断している

本機の想像以上の重量は、振動とノイズの積極的制御の証だといっていいだろう。

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