パノラミック画面などソニーの技術が結集
<CES>ソニーのクルマは音もすごい! “車体の壁が消える” 360度サウンドを体験
CESの会期中にソニーが日本人記者を集めて開催したグループインタビューでは、今回のコンセプトカーの企画開発をリードしたソニー(株)の川西泉氏が出席し、記者から寄せられた様々な質問に答えていた。ソニーでAIロボティクスビジネスを担当する川西氏は、aiboの開発責任者としてもよく知られている人物だ。
「このコンセプトカーは、これからソニーが自動車をつくるというステートメントなのか?」という質問に対して、川西氏は「そうでない」と明確に否定した。そして「クルマを作るというより、ソニーらしい次世代のモビリティ体験をつくること」が、今回展示されたコンセプトカーに込めた思いとメッセージなのだと言い切った。
これからは日本でも、高度な運転支援技術を搭載した自動車がさらに増え、今春に5Gサービスの商用化がスタートした後は、コネクテッドカーを取り巻くビジネスやサービスが活況を呈するだろう。
ソニーが得意とするセンサー技術でセーフティドライブを支援し、オーディオビジュアルをはじめとしたリッチなエンターテインメント体験をかなえていくためのプラットフォームをわかりやすく形にした姿が、CESに出展したコンセプトカーと受け止めるべきだろう。
「そのために今後、ソニーがどこにゴールを定めて、BtoB、またはBtoCのカスタマーに何を商材として提供していくのか」という記者からの質問に対して、川西氏は「現時点で明確な回答は控えたい」としながらも、技術やサービスをどこまでパッケージングできるかはとても難しいとコメントを付け加えている。というのも、クルマはとても趣味性が高く、「かっこいいクルマ」の評価はあくまで主観であるため、例えば先進的なセンシング機能だけをパッケージングしても、必ずしも魅力的なものにならないという。
だからこそ、今回はコンセプトカーの外装と内装、インターフェースのデザインをSony Designが手がけ、次世代のモビリティエンターテインメントとして「360 Reality Audio」やフロントシート前方に悠々と広がるパノラミックスクリーンを載せてみたり、「かっこいいクルマ」を形にするために様々な挑戦を組み込んだ。
筆者は今回、ソニーのコンセプトカーに試乗して360 Reality Audioのサウンドを体験してきた。