B2B/G向けソリューションを用いた「AIoT 3.0」も紹介
シャープ、「SHARP TECH-DAY’24」。初EV「LDK+」から高輝度XRグラスも展示
シャープは、単独技術展示イベント「SHARP TECH-DAY’24 “Innovation Showcase”」(以下「SHARP TECH-DAY’24」)を9月17日・18日の2日間、東京国際フォーラム・ガラス棟 地下1階・2階(Hall E2)にて開催。本稿では、会場レポートをお届けする。
会場は、「Next Innovation “EV”」「Next Innovation “AI”」「Next Communication」「Smart Living」「Smart Industry」の5つのゾーンに分かれた技術展示で、全52テーマのブースが設置されていた。
「Next Innovation “EV”」では、「SHARP TECH-DAY’24」の中で最も話題となっている、EVコンセプトモデル「LDK+」が展示されている。車が家で止まっている時間でも有効活用できる提案として、車内を「リビングルームの拡張空間」として活用する方法を提示する。
車内には、180度回転するリクライニングシートが設置され、窓を液晶シャッターで閉じることができる仕様を採用することで、プライベート空間を作れるようになっている。車内での活動をAIで学習し、自動調整できるプラズマクラスター空調や照明の導入によって快適さを追求。大型ディスプレイやUSB電源付き格納型テーブルの設置によって、映像コンテンツを楽しむ場からリモートワーク環境まで、幅広い利用シーンに対応している。
独自AI技術「CE-LLM」やAIoT技術を組み込むことで、サステナブルな暮らしも提案している。家とセキュアな回線でつながることで、まるで家の中と同じような利便性と安心感を提供。また、家とEVによるトータルエネルギーマネージメントも可能となる。
「LDK+」は、Foxconnグループと連携したEV開発を実現。同グループのEVプラットフォームを利用することによってスピーディな自動車開発を成し得るほか、ホームエネルギーマネジメントの知識をモビリティに活用することによるカーボンニュートラルの実現にも貢献するという。
「Next Innovation “AI”」では、2023年モデルから4K解像度へと向上し、開発中の「CE-LLM」を用いて応答内容の精度を高めた「AI Avatar 4K」をはじめ、テレビの上に高性能なカメラ/マイク/インジケータを接続。そこに「CE-LLM」を組み合わせることで、AIアバターと日常生活を共にしているようなAIチャットを通じて、ユーザーの希望するサービスを判断しながら、各種生活サポートを可能にする対話型UX「AI Partner」を展示する。
マイクとカメラ、そしてスピーカーを内蔵したウェアラブルデバイス「AIスマートリンク」では、音声による生成AIと自然なコミュニケーションを交わしながら、あらゆる場面でユーザーをサポート。外出中であれば目的地までのナビゲートをしてくれたり、AI調理器と組み合わせることで料理の作り方も教えてくれる。PCやスマホを使用しないためハンズフリーで使用でき、「ながらスマホ」の抑制にもつながるとしている。
透過型XRグラス「Dynabook XRソリューション」を展示。グラス内に映像を出力する装置と、反射構造を活用して出力された映像が目の前に映し出される仕組みになっている。デモンストレーションでは、XRグラスの掛けると接続したノートPCの表示内容が映し出され、複数の映像を映した状態でも作業できるようになっていた。
また、XRグラスにAI技術を用いた翻訳アシストを組み合わせると、実際に他言語話者と対話しながらも、XRグラスに相手が喋った言葉の翻訳内容を空間に映し出すことができ、さらに円滑なコミュニケーションを実現すると解説していた。
カメラ技術の進化として、高速かつ広いオートフォーカスと手振れ補正に対応した液体レンズ、視線追跡や手動追跡を実現する世界最薄1.96mmのカメラモジュールなどが並んでいた。人間の目と同じ仕組みを実現するものから、超小型にも関わらず高い光学性能を実現したデバイスが紹介されている。
「Next Communication」では、既存の5G端末では難しかった通信機能などをカスタマイズできる、日本国内設計の「Beyond-5G IoT 通信端末用 SoC」をはじめ、地上の圏外エリアでも通信を可能にする衛星通信端末「LEO」、基地局装置とコア装置を小型防水トランクケースに収納して持ち運べることで、どこでもローカル5Gエリアを構築できる「Instant 5G Network」などを展示している。
「Snapdragon AR2」搭載によって、スマートフォンと無線接続することができる世界初のXRグラス「MiRZA(ミルザ)」も並んでいた。NTTコノキューとシャープが共同出資するコノキューデバイス社が開発したデバイスであり、約1000nitsの高輝度とフルHD解像度を実現する。
空間認識3Dコンテンツ表示(6DoF対応)を可能としており、視力補正レンズにも対応。RGBカメラ/モノクロカメラ/マイク/スピーカーを搭載しており、日本国内で製造する “JAPAN MADE” にもこだわっているという。
また、XRとAIを融合させた技術として、MR教育・研修ソリューションを紹介。MRデバイスを活用した近未来感のあるキーボードのトレーニングデモとなっており、バーチャルキーボートを用いた没入感の高い効果的な練習が可能。加えてVRゲームの演出を取り入れることでユニークさも備えている。
「Smart Living」では、アプリ「COCORO HOME」のUI改善と生成AIによるアクセシビリティの向上を両立することで、24時間いつでも家電について相談できるAIコンシェルジュを実現。ユーザーの目的を解決するために、機器に搭載された最適な機能をエスコートしてくれる。
AIoT家電データを活用したB2B/G向けソリューションでは、高齢者宅のIoT家電のデータを高次化して自治体システムと連携することで高齢者の生活を把握することができる「高齢者見守りサービス」への活用、IoT家電の稼働率の低下を可視化する機能によって災害発生時における被害状況把握への活用、そしてIoT家電を遠隔で集中管理するクラウドサービスを施設や管理業務の効率化に有効活用するなど、シャープが提案する「AIoT 3.0」の世界を具体化させたブースも設置されていた。
生物の動きに着目して家電へと新たな技術を投入する「ネイチャーテクノロジー」や「空気清浄機ニオイセンシング」、独自の低騒音化技術によって55dBという “RACTIVE Air” 史上最小の運転音を実現した掃除機「EC-XR1」も展示。併せて、結晶シリコン太陽電池技術と融合させてタンデム構造を採用した「ペロブスカイト太陽電池」や、ベースメタである亜鉛を用いた大容量蓄電技術「フロー型亜鉛空気電池」も解説していた。
「Smart Industry」では、360度カメラやAR/VRコンテンツ制作、外観検査などさまざまなシーンで1:1アスペクト比の撮影が可能な約6400万画素を有する「8K8K正方CMOSイメージセンサー」をはじめ、ヘッドと光源を分離させたBT2020広色域表現を叶える「小型プロジェクションヘッド」(Omjectコンセプト)、フルワイヤレスで書き換え可能な屋外対応の電子ペーパーディスプレイ「A0サイズ ePoster」、IGZO搭載の「A2サイズカラー ePoster」や「カラー電子ペーパーモジュール」など、映像関連技術を豊富に展示。
さらに、「次世代Cockpit」ブースでは、AIが搭乗者を認識する「カメラ一体型Display+車内モニタリングカメラ」をはじめ、AIと連動した情報提示が可能な「大画面ヘッドアップDispley」、物理UIを兼ねたマルチインターフェース「Texture Display+Click Display」が導入された運転空間を演出。クラウドレスでリアルタイムに文字起こしが可能でセキュリティ対策を施した「スマート会議ソリューションユースシーン」が並んでいた。
会場は、「Next Innovation “EV”」「Next Innovation “AI”」「Next Communication」「Smart Living」「Smart Industry」の5つのゾーンに分かれた技術展示で、全52テーマのブースが設置されていた。
「Next Innovation “EV”」では、「SHARP TECH-DAY’24」の中で最も話題となっている、EVコンセプトモデル「LDK+」が展示されている。車が家で止まっている時間でも有効活用できる提案として、車内を「リビングルームの拡張空間」として活用する方法を提示する。
車内には、180度回転するリクライニングシートが設置され、窓を液晶シャッターで閉じることができる仕様を採用することで、プライベート空間を作れるようになっている。車内での活動をAIで学習し、自動調整できるプラズマクラスター空調や照明の導入によって快適さを追求。大型ディスプレイやUSB電源付き格納型テーブルの設置によって、映像コンテンツを楽しむ場からリモートワーク環境まで、幅広い利用シーンに対応している。
独自AI技術「CE-LLM」やAIoT技術を組み込むことで、サステナブルな暮らしも提案している。家とセキュアな回線でつながることで、まるで家の中と同じような利便性と安心感を提供。また、家とEVによるトータルエネルギーマネージメントも可能となる。
「LDK+」は、Foxconnグループと連携したEV開発を実現。同グループのEVプラットフォームを利用することによってスピーディな自動車開発を成し得るほか、ホームエネルギーマネジメントの知識をモビリティに活用することによるカーボンニュートラルの実現にも貢献するという。
「Next Innovation “AI”」では、2023年モデルから4K解像度へと向上し、開発中の「CE-LLM」を用いて応答内容の精度を高めた「AI Avatar 4K」をはじめ、テレビの上に高性能なカメラ/マイク/インジケータを接続。そこに「CE-LLM」を組み合わせることで、AIアバターと日常生活を共にしているようなAIチャットを通じて、ユーザーの希望するサービスを判断しながら、各種生活サポートを可能にする対話型UX「AI Partner」を展示する。
マイクとカメラ、そしてスピーカーを内蔵したウェアラブルデバイス「AIスマートリンク」では、音声による生成AIと自然なコミュニケーションを交わしながら、あらゆる場面でユーザーをサポート。外出中であれば目的地までのナビゲートをしてくれたり、AI調理器と組み合わせることで料理の作り方も教えてくれる。PCやスマホを使用しないためハンズフリーで使用でき、「ながらスマホ」の抑制にもつながるとしている。
透過型XRグラス「Dynabook XRソリューション」を展示。グラス内に映像を出力する装置と、反射構造を活用して出力された映像が目の前に映し出される仕組みになっている。デモンストレーションでは、XRグラスの掛けると接続したノートPCの表示内容が映し出され、複数の映像を映した状態でも作業できるようになっていた。
また、XRグラスにAI技術を用いた翻訳アシストを組み合わせると、実際に他言語話者と対話しながらも、XRグラスに相手が喋った言葉の翻訳内容を空間に映し出すことができ、さらに円滑なコミュニケーションを実現すると解説していた。
カメラ技術の進化として、高速かつ広いオートフォーカスと手振れ補正に対応した液体レンズ、視線追跡や手動追跡を実現する世界最薄1.96mmのカメラモジュールなどが並んでいた。人間の目と同じ仕組みを実現するものから、超小型にも関わらず高い光学性能を実現したデバイスが紹介されている。
「Next Communication」では、既存の5G端末では難しかった通信機能などをカスタマイズできる、日本国内設計の「Beyond-5G IoT 通信端末用 SoC」をはじめ、地上の圏外エリアでも通信を可能にする衛星通信端末「LEO」、基地局装置とコア装置を小型防水トランクケースに収納して持ち運べることで、どこでもローカル5Gエリアを構築できる「Instant 5G Network」などを展示している。
「Snapdragon AR2」搭載によって、スマートフォンと無線接続することができる世界初のXRグラス「MiRZA(ミルザ)」も並んでいた。NTTコノキューとシャープが共同出資するコノキューデバイス社が開発したデバイスであり、約1000nitsの高輝度とフルHD解像度を実現する。
空間認識3Dコンテンツ表示(6DoF対応)を可能としており、視力補正レンズにも対応。RGBカメラ/モノクロカメラ/マイク/スピーカーを搭載しており、日本国内で製造する “JAPAN MADE” にもこだわっているという。
また、XRとAIを融合させた技術として、MR教育・研修ソリューションを紹介。MRデバイスを活用した近未来感のあるキーボードのトレーニングデモとなっており、バーチャルキーボートを用いた没入感の高い効果的な練習が可能。加えてVRゲームの演出を取り入れることでユニークさも備えている。
「Smart Living」では、アプリ「COCORO HOME」のUI改善と生成AIによるアクセシビリティの向上を両立することで、24時間いつでも家電について相談できるAIコンシェルジュを実現。ユーザーの目的を解決するために、機器に搭載された最適な機能をエスコートしてくれる。
AIoT家電データを活用したB2B/G向けソリューションでは、高齢者宅のIoT家電のデータを高次化して自治体システムと連携することで高齢者の生活を把握することができる「高齢者見守りサービス」への活用、IoT家電の稼働率の低下を可視化する機能によって災害発生時における被害状況把握への活用、そしてIoT家電を遠隔で集中管理するクラウドサービスを施設や管理業務の効率化に有効活用するなど、シャープが提案する「AIoT 3.0」の世界を具体化させたブースも設置されていた。
生物の動きに着目して家電へと新たな技術を投入する「ネイチャーテクノロジー」や「空気清浄機ニオイセンシング」、独自の低騒音化技術によって55dBという “RACTIVE Air” 史上最小の運転音を実現した掃除機「EC-XR1」も展示。併せて、結晶シリコン太陽電池技術と融合させてタンデム構造を採用した「ペロブスカイト太陽電池」や、ベースメタである亜鉛を用いた大容量蓄電技術「フロー型亜鉛空気電池」も解説していた。
「Smart Industry」では、360度カメラやAR/VRコンテンツ制作、外観検査などさまざまなシーンで1:1アスペクト比の撮影が可能な約6400万画素を有する「8K8K正方CMOSイメージセンサー」をはじめ、ヘッドと光源を分離させたBT2020広色域表現を叶える「小型プロジェクションヘッド」(Omjectコンセプト)、フルワイヤレスで書き換え可能な屋外対応の電子ペーパーディスプレイ「A0サイズ ePoster」、IGZO搭載の「A2サイズカラー ePoster」や「カラー電子ペーパーモジュール」など、映像関連技術を豊富に展示。
さらに、「次世代Cockpit」ブースでは、AIが搭乗者を認識する「カメラ一体型Display+車内モニタリングカメラ」をはじめ、AIと連動した情報提示が可能な「大画面ヘッドアップDispley」、物理UIを兼ねたマルチインターフェース「Texture Display+Click Display」が導入された運転空間を演出。クラウドレスでリアルタイムに文字起こしが可能でセキュリティ対策を施した「スマート会議ソリューションユースシーン」が並んでいた。