日本に合ったオープンプラットフォーム目指す
ソニーなど4社、電子書籍配信の新会社を設立 − 「Reader」も年内投入へ
ソニーと凸版印刷、KDDI、朝日新聞社の4社は、2010年7月1日を目処に、電子書籍配信事業に関する事業企画会社を設立することで基本合意した。
新会社の資本金と資本準備金はあわせて3,000万円で、4社が25%ずつ出資する。
新会社では当初、電子書籍の共通配信プラットフォームを企画。早期に新たな参加企業を募り、書籍やコミック、雑誌、新聞などを対象にしたオープンプラットフォームの構築・運営を行う事業会社へ移行し、年内の配信サービス開始を目指していく。なおこの新会社設立については、講談社や文藝春秋もその趣旨に賛同している。
国内最大級の電子書籍配信プラットフォームとするべく、4社はそれぞれが保有する技術やノウハウを集約。出版社や新聞社がデジタルコンテンツを提供しやすい環境を整備する。書籍や雑誌の販売価格は未定。
今回4社が新会社を設立した背景について、米ソニー・エレクトロニクス シニア・バイス・プレジデントの野口不二夫氏は「世界中で電子書籍に注目が集まっているが、これは日本にも波及する。今年は日本でも電子書籍の新たな元年になる。出版は文化と密接に結びついており、日本市場に合った電子書籍配信プラットフォームが必要と考えた」と説明。
国内最大級の電子書籍配信プラットフォームとするべく、4社はそれぞれが保有する技術やノウハウを集約し、出版社や新聞社がデジタルコンテンツを提供しやすい環境を整備していく。
なおプラットフォームはオープンで、詳細なスキームは今後4社で協議していくが、アップルのiBook Storeのように特定の端末に紐づけられたクローズドなプラットフォームとは異なる方向になる見込み。野口氏は「このプラットフォームをベースに、複数のストアが並立するような仕組みを考えている」とし、あくまで電子書籍ストアではなく、プラットフォームの整備を主眼としていることを強調した。
プラットフォームへの参加企業は今後、随時募っていく計画で、「1業種1社とは考えていない。今回の4社のライバルにあたる企業でも、現段階で声をかけている会社がある」(野口氏)と説明。
端末についても、ソニーが北米や欧州などで展開している電子書籍端末「Reader」を年内を目途に国内で発売するほか、KDDIも独自端末を販売する計画。またスマートフォンなどで閲覧が行える環境も整備する。
またソニーの野口氏は、iPadやKindleなどでの展開についても「多くの吐き出し口があった方が良いので、そこを否定するものではない」と述べ、様々なデバイスでの展開に意欲を示した。
さらに野口氏は「単に日本語が表示できるハードを揃えたところで何の意味もない。コンテンツの質と量が最も重要」とし、「電子書籍の分野では、世界に比べて日本の動きは遅い。我々がこのビジネスを推進していく」とし、アップルやアマゾンの対応が遅れている、日本語の電子書籍展開をリードしていく考えを強調した。
発表会では、ソニー以外の3社の代表者も次々に登壇し、新会社に参加した背景やそれぞれの立場を説明。KDDI 執行役員常務の高橋誠氏は、独自端末を販売する計画以外に「電子書籍端末には3Gや3.9Gは不可欠」と述べ、通信インフラをサポートする考えを表明した。
また凸版印刷 取締役 経営企画本部長の前田幸夫氏は、「1世紀以上にわたって出版を行ってきたが、ここに来て電子書籍の大きな波が押し寄せている。出版社との連携をベースに、紙の出版物と電子書籍とを連動させ、品質やコストを管理していく。これによってコンテンツメーカーのトータル収益を増やす『プラスサム』にできると考えている」と説明。プラットフォームと出版社とのあいだの、仲立ちとしての役割を受け持つ考えを示した。
朝日新聞社 デジタルビジネス担当の和気 靖氏は、「これまで朝日新聞は出版ビジネスと密接に結びついてきた。プラットフォームに付加価値を高める機能を付けるという貢献ができれば、と考えている」と語る一方で、「コンテンツの一提供者としては、このプラットフォームだけでなく、様々な可能性を探っている」と述べるなど、他プラットフォームやサービスへの参入にも含みを残した。
新会社の資本金と資本準備金はあわせて3,000万円で、4社が25%ずつ出資する。
新会社では当初、電子書籍の共通配信プラットフォームを企画。早期に新たな参加企業を募り、書籍やコミック、雑誌、新聞などを対象にしたオープンプラットフォームの構築・運営を行う事業会社へ移行し、年内の配信サービス開始を目指していく。なおこの新会社設立については、講談社や文藝春秋もその趣旨に賛同している。
国内最大級の電子書籍配信プラットフォームとするべく、4社はそれぞれが保有する技術やノウハウを集約。出版社や新聞社がデジタルコンテンツを提供しやすい環境を整備する。書籍や雑誌の販売価格は未定。
今回4社が新会社を設立した背景について、米ソニー・エレクトロニクス シニア・バイス・プレジデントの野口不二夫氏は「世界中で電子書籍に注目が集まっているが、これは日本にも波及する。今年は日本でも電子書籍の新たな元年になる。出版は文化と密接に結びついており、日本市場に合った電子書籍配信プラットフォームが必要と考えた」と説明。
国内最大級の電子書籍配信プラットフォームとするべく、4社はそれぞれが保有する技術やノウハウを集約し、出版社や新聞社がデジタルコンテンツを提供しやすい環境を整備していく。
なおプラットフォームはオープンで、詳細なスキームは今後4社で協議していくが、アップルのiBook Storeのように特定の端末に紐づけられたクローズドなプラットフォームとは異なる方向になる見込み。野口氏は「このプラットフォームをベースに、複数のストアが並立するような仕組みを考えている」とし、あくまで電子書籍ストアではなく、プラットフォームの整備を主眼としていることを強調した。
プラットフォームへの参加企業は今後、随時募っていく計画で、「1業種1社とは考えていない。今回の4社のライバルにあたる企業でも、現段階で声をかけている会社がある」(野口氏)と説明。
端末についても、ソニーが北米や欧州などで展開している電子書籍端末「Reader」を年内を目途に国内で発売するほか、KDDIも独自端末を販売する計画。またスマートフォンなどで閲覧が行える環境も整備する。
またソニーの野口氏は、iPadやKindleなどでの展開についても「多くの吐き出し口があった方が良いので、そこを否定するものではない」と述べ、様々なデバイスでの展開に意欲を示した。
さらに野口氏は「単に日本語が表示できるハードを揃えたところで何の意味もない。コンテンツの質と量が最も重要」とし、「電子書籍の分野では、世界に比べて日本の動きは遅い。我々がこのビジネスを推進していく」とし、アップルやアマゾンの対応が遅れている、日本語の電子書籍展開をリードしていく考えを強調した。
発表会では、ソニー以外の3社の代表者も次々に登壇し、新会社に参加した背景やそれぞれの立場を説明。KDDI 執行役員常務の高橋誠氏は、独自端末を販売する計画以外に「電子書籍端末には3Gや3.9Gは不可欠」と述べ、通信インフラをサポートする考えを表明した。
また凸版印刷 取締役 経営企画本部長の前田幸夫氏は、「1世紀以上にわたって出版を行ってきたが、ここに来て電子書籍の大きな波が押し寄せている。出版社との連携をベースに、紙の出版物と電子書籍とを連動させ、品質やコストを管理していく。これによってコンテンツメーカーのトータル収益を増やす『プラスサム』にできると考えている」と説明。プラットフォームと出版社とのあいだの、仲立ちとしての役割を受け持つ考えを示した。
朝日新聞社 デジタルビジネス担当の和気 靖氏は、「これまで朝日新聞は出版ビジネスと密接に結びついてきた。プラットフォームに付加価値を高める機能を付けるという貢献ができれば、と考えている」と語る一方で、「コンテンツの一提供者としては、このプラットフォームだけでなく、様々な可能性を探っている」と述べるなど、他プラットフォームやサービスへの参入にも含みを残した。