一条真人の体当たり実験室
PS3のDLNA機能 徹底活用術<前編> PC向けサーバソフトの使い勝手を一斉テスト!
■PC向けDLNAサーバーソフトの傾向
現在、PC向けのDLNAサーバーソフトは、その数があまり多くはなく、また、価格もあまり高くはない。ほとんどの製品は日本円で3,000〜4,000円程度とリーズナブルで購入しやすい。海外の製品も多いが、ほとんどはダウンロードで購入できる。ダウンロード販売の場合、購入には通常、クレジットカードが必要になる。
DLNAサーバーソフトを利用する場合の注意を1つ。DLNAサーバーソフトでは、公開するフォルダを指定して、そのフォルダ内のメディアをクライアントに対して公開するわけだが、ほとんどの場合、そのフォルダはマイドキュメントフォルダ内のメディアフォルダとなる。
パブリックフォルダかパーソナルフォルダかはソフトによって異なるが、ほとんど場合、パーソナルフォルダのメディアフォルダになる。
当然、指定すればどんなフォルダのデータも公開できるものの、いくつものフォルダを指定するのも面倒だ。日頃から、メディアデータは特定のフォルダに保存するように意識しておくほうがいいだろう。
DLNAクライアントとして使いたい場合、PS3側でも設定が必要な項目がある。それは「設定」>「ネットワーク設定」>「メディアサーバー接続」を有効にしておくこと。これでネットワーク上にDLNAサーバーを検知すると、自動的に接続するようになる。
■代表的DLNAサーバーソフトを一挙紹介
・DiXiM Media Server
http://software.transdigital.co.jp/digion/dixim/
DLNAサーバーソフトのパイオニアであるデジオン社が開発したDLNAサーバーソフト。多くのPCにOEMでプリインストールされている。パッケージ販売の名称は「Dixim 2 Vista」であり、その名の通り、WindowsVista、WindowsXPに対応する。価格はダウンロード版が3,980円で、15日間試用できる体験版がダウンロードできる。
負荷や処理速度も悪くなく、接続性も問題ない。ユーザーインターフェースもシンプルでビギナーにも使いやすいという印象だが、デフォルトの公開フォルダの設定はややマトを得ていない感じだ。多くのソフトがパーソナルユーザーのメディアフォルダをデフォルトで公開するのに対して、パブリックのフォルダを公開する設定になっている。そのため、多くの場合、ユーザーは目的のメディアフォルダを公開に追加する必要があるだろう。
・Nero MediaHome4
http://www.nero.com/jpn/mediahome4-introduction.html
もともとは多機能オーサリングソフトとして有名なNeroの機能の1つだったが、それが切り離されて単体のソフトとなったもの。動作OSはWindows VistaとXPになる。ダウンロード版で3,980円であり、15日間試用できるトライアル版がダウンロードできる。なお、トライアル版ではトランスコード機能が機能しない。
このソフトでは、初期設定のフォルダ指定にやや不親切さを感じた。インストール後のはじめての起動時に監視フォルダの選択画面が表示され、マイドキュメントフォルダ、あるいはiTunesライブラリのインポートが選択できるのだが、ここでiTunesを選択すると、本当にiTunesのライブラリフォルダしか選択されない。
また、マイドキュメントフォルダで設定すると、iTunesライブラリをうまく登録してくれなかった。この場合、パーソナルなミュージックフォルダを削除して、iTunesフォルダを登録すれば、iTunesの曲をDLNA配信できる。
接続性、処理速度などは悪くないし、設定項目も多く多機能だが、あまりユーザーフレンドリーではない印象を受ける。使いこなすにはそれなりの知識と経験が必要かも知れない。これはこのソフトの母体であるNeroと共通した印象だ。
・TwonkyMediaManager
http://www.twonkyvision.de/index.html
以前は設定にウェブブラウザを使っていたが、最近、バージョンアップして1.0となり、インターフェースを大きく進化させた。動作は全体にスムーズであり、マネージモードではコンテンツを表示、再生したり、プレイリスト編集が可能であるなど、他のDLNAサーバーソフトにはない機能を持つ。また、Flickr、YouTube、SHOUTCASTなどのインターネットメディアにアクセスする機能も搭載している。
価格は$39.95、29.95ユーロで、クレジットカードあるいはPayPalで支払うことができるが、30日間試用できる体験版をダウンロードすることができる。約40ドルとやや高価だが、それを当然と思わせる多彩な機能を搭載していると感じる。今後のDLNAサーバーの1つの方向性を示すソフトだ。
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