テレビの在り方を再定義
4ダイバーシティアンテナの実力は? − パナソニックのポータブル地デジテレビ「DMP-BV100」を試す
■都内各所で受信感度をチェックしてみた
受信感度のテストのため、何カ所かのスポットを回ってみた。まずは自動車の助手席に置いてドライブをしてみたが、余裕で地デジ視聴が可能だった。次に、とあるマクドナルドの2階で、もっとも窓から遠い席に置いてみたが、窓から3メートル程度は距離があるにも関わらず安定した地デジ受信が可能であり、しかもアンテナが3本立っていた。
さらに、とある1階にあるファミレスの窓際の席では、窓から1メートル少々の位置でもアンテナ3本で地デジが受信できた。どの場所も、PC向けの比較的高感度なワンセグチューナーで受信不能になってしまうような位置なので、このことからもDMP-BV100のダイバーシティアンテナが驚くほど高感度ことがわかるだろう。
その限界を試すために、次は地下鉄の駅に行ってみた。ここでは、入り口の階段を下りた最初の踊り場あたりで地デジが受信不能となり、感度低下によりワンセグに切り換えるというメッセージが表示され、自動的にワンセグに切り替わった。
次にもう1ブロック階段を下りたが、まだまだワンセグの受信は可能だ。アンテナを閉じたままでは、そこからさらに5メートルほどのところで、ワンセグも受信不可になった。アンテナを上げた場合では、そこからさらに2メートルほど遠くでも受信できてしまった。
このテストは墨田区内で行っており、使用するエリアのほか、窓や周囲の状況などでも結果は変わると思うが、PC向けのワンセグチューナーが受信できない場所でも、受信感度「バリ3」で地上デジタルが受信できる感度の高さは圧倒的だ。地デジが普通に受信できるエリア内で、一般的な地上の家屋であれば、ほとんどの場所で最悪でもワンセグ放送の受信は可能なのではないか。
■バッテリー駆動時間はカタログスペック以上
バッテリー駆動時間のテストも行ってみた。液晶の明るさを標準にし、ヘッドホンを使ったBD再生で2時間20分程度でブラックアウトし、限界となった。カタログスペックでは約2時間15分なので、公称数値以上の性能ということになる。ちなみに1時間56分の時点で、チャージランプ(黄)が点滅し、空のバッテリーマークが画面左下に点滅して警告してきた。駆動時間は納得できるレベルだが、充電に要する時間はカタログスペックで約7時間と、やや長めなのが残念だ。
■DMP-BV100がテレビの使い方を変える
DMP-BV100の4ダイバーシティアンテナはきわめて高感度であり、さまざまな場所でアンテナケーブルなしでクリアな地デジ映像を楽しめた。そして、地デジ受信が不可なエリアでは自動的にワンセグに切り替わり、広範囲でテレビ視聴が行える。この感度の高さに、これまでの認識を覆させられた。
同じ高感度なダイバーシティアンテナ搭載機でも、DMP-BV100はTH-L17F1と異なりバッテリー駆動が可能であるため、完全にワイヤレスで使うことができる。これにより、家庭内はもちろんアウトドアにおいても、様々なシーンでテレビ視聴が可能になる。DMP-BV100はまさにテレビの在り方を再定義する、新世代のテレビであると言えるだろう。
(一条真人)