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気鋭オーディオメーカー社員たちの戦い

ドキュメント新製品誕生 − CAVジャパン 真空管ハイコンポ「VAZIO」

公開日 2010/02/18 12:10 ファイル・ウェブ編集部
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量販店と専門店。2つのチャネルを精力的に開拓

VAZIOは一部マニアではなく、「音楽好きの大勢の人たち」を狙った製品である。だがCAVジャパンは、ヨドバシカメラなどの大手量販店だけでなく、あえてほかの顧客層にもリーチできるよう、販売チャネルの開拓を精力的に行っている。その狙いはどこにあるのだろうか。

ノジマが運営するハイファイオーディオ専門店「オーディオスクェア」は、神奈川や埼玉郊外の大型ショッピングモール内に現在4店舗を構えている。オーディオ専門店は一般的に初心者には敷居が高く敬遠されがちだが、オーディオスクェアがターゲットとするのはマニアではない一般層。専門スタッフによるきめ細やかな接客には定評がある。店内に並ぶ製品は単品コンポーネントが中心だが、ここでも昨年12月からVAZIOの取り扱いをはじめた。


オーディオスクェア 藤沢店

売場の一角にVAZIOラインナップが並ぶ
オーディオスクェア バイスプレジデントの石峯篤記氏はオーディオ専門店の仕事を旅行代理店に例えてこう説明する。「旅行に詳しい人は自力で航空券を手配して好きなところに旅行できる。そうでない一般の人たちが旅行代理店を利用して予算に見合ったプランを提案してもらう。オーディオも詳しくない人こそプロのサポートが必要」と。「我々専門店の仕事は、訪れるお客さんの“普通”を見極めて、その人の生活や価値観にマッチする製品を提案すること」と話す。


オーディオスクェア バイスプレジデント 石峯篤記氏
かつてオーディオは日常的に音楽を聴くためのものであり、特別な趣味ではなかった。「みんなのもの」から「マニアのもの」となってしまった現在のオーディオマーケットに風穴を開けたいという思いで誕生したVAZIOと、オーディオスクェアの目指す方向性は共通しているようだ。


店内の様子

2〜3万円の製品から数百万クラスまで豊富な品揃えだ


VAZIOはコンパクトなオーディオ機器が集まるコーナーに展示されている

試聴室も完備している
石峯氏はVAZIOを「オーディオに詳しい人が、オーディオを知らない人のために作った製品」とし、そのポテンシャルの高さを評価する。「きちんとセッティングすればすごくいい音がなるし、2〜3万円のミニコンポとは一線を画したきちんとしたオーディオ機器だと思う。そしてそのポテンシャルを最大限に引き出すには正しい設置が欠かせないが、いまは正しいステレオの設置方法を知らない人がほとんど」という現状も指摘する。


取材時に石峯氏による即席の「正しいステレオのセッティング」でVAZIO「T-3」を聴かせてもらった。ビートルズのリマスター盤は下手なフロントサラウンド機よりも立体的で鮮明に聴こえる。VAZIOのポテンシャルの高さに驚かされた瞬間だった
販売台数では家電量販店にはかなわないが、CAVジャパンは確かな知識を持ち、製品の使い方まで親身に説明できるオーディオ専門店だからこそ、VAZIOの魅力をユーザーに最大限に伝えることができると期待する。

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