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祝・BDボックス化記念! Woooで見る『スター・ウォーズ』全6作

公開日 2010/09/13 18:27 大橋伸太郎
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■Woooが描き出す「新時代の冒険大活劇の華」

その第一はコントラスト。ネイティブコントラスト500万対1という数値は、プラズマテレビとして最高水準にある。数値だけなら液晶テレビでも、これに近い製品はあるが、プラズマ方式は低輝度部分の粘りが違う。

本機は黒の描き方に幅があり、どっしりした土台の上に、大きく、力強い画を雄大に描く。1970年代のアメリカ映画らしく、フィルムのコントラストをフルに使い、ベースはどっしり重厚でピークが明るく、鮮鋭でエネルギー感に富む。色彩バランスはややマゼンタ基調の力が強く、華やかで油絵的な画質である。

P50-XP05の大画面に映し出された『スター・ウォーズ』には、初見のスクリーンで目に焼きついた「新時代の冒険大活劇の華」が見事にあった。それはいわば「剛」の表現だが、P50-XP05は「柔」も優れている。

養父母を惨殺されたルークがジェダイになることを決意、惑星タトゥイーンを出発する場面は夕日をバックに若きマーク・ハミルの金髪が実に繊細で美しい。中間階調の繊細な表現力がないと、こうはならない。コントラストの大きさという器の余裕が、『スター・ウォーズ』の本来の姿を手繰り寄せたのである。

もう一つ、P50-XP05ならではの改善ポイントは、映像のディテールである。

まず、本機は新規パネルを搭載しながらノイズの抑制が非常に優れている。本機のパネルは予備放電を暗部でゼロにし、発光効率を画期的に改善しているが、PDPとして一気に長足の進歩を遂げた分、使いこなしが難しい。パネル駆動の原理上、どうしても発生するノイズの処理に、端的にそれが現れる。P50-XP05は、このノイズの抑圧に関してプラズマ方式随一。その結果、映画の原画の地肌が見えてくるのだ。

■「ピクセルマネージャー」による高画質化の効果は顕著

P50-XP05は、日立として初めて超解像を搭載した。ピクセルマネージャーと命名したそれは、まず画素情報を解析し、映像全体を分析。コンテンツの大元にさかのぼり、フルHD映像であることを突止め、オリジナル画像の解像度に近づくように復元を行うという本格的な超解像である。モスキートノイズ、ブロックノイズの除去を行った後、放送までのプロセスで劣化した解像度を復元。さらに映像に応じた精細感(映像のメリハリ、陰影)の適切な復元を行う。

ピクセルマネージャーの主な用途は地上デジタル放送(水平画素1,440)の解像度補間だと思うが、BSデジタルフルHDの『スター・ウォーズ』でも効果が確認できる。メニューの映像調整で「切、オート、1~5」から設定できる(標準設定はオート)が、例えば件の酒場のシーンでこれをオンにすると、まるで宇宙妖怪絵巻のように、アイデアを凝らしたエイリアンの造作やチューバッカの毛並みがくっきり見え、アナログSFXの楽しさが溢れだす。

もっと分かりやすいのは、宇宙空間に散りばめられた星の輝きが締まって、宝石のように輝き、デススター表面の細かいイルミネーションが現れるところだ。デススターから発射される緑の破壊光線が、鋭くギラリと、残忍に輝く。

設定を最大の5にするとこうした効果はさらに高まるが、アウトフォーカスした映像の背景部分に歪みが現れることがあるので、オートがおすすめだ。

思い出深い映画との再会は、それを見るテレビが重要であると実感させられた、今回の『スター・ウォーズ』であった。

日立「P50-XP05」視聴時の設定
映像モード:シアタープロ
明るさ:-5
黒レベル:-1
色の濃さ:-11
色合い:+3
シャープネス:-15
色温度:低
ディテール:切
コントラスト:リニア
コントラストレベル:2
黒補正:切
LTI:切
CTI:切

大橋伸太郎 プロフィール
1956 年神奈川県鎌倉市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。フジサンケイグループにて、美術書、児童書を企画編集後、(株)音元出版に入社、1990年『AV REVIEW』編集長、1998年には日本初にして現在も唯一の定期刊行ホームシアター専門誌『ホームシアターファイル』を刊行した。ホームシアターのオーソリティとして講演多数。2006年に評論家に転身。

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