サクサク動く快適操作
第2世代「Apple TV」レビュー − iOS端末との連携が快適なハイコストパフォーマンスモデル
■Apple TVの映画レンタルを試す
それでは、各機能の詳細に入っていこう。まずは「ムービー」メニューから映画の配信サービスをチェックしてみる。作品数については昨日の速報レビューで紹介したとおりで、iTunes Storeでの映画配信では、HD作品とSD作品をすべて合わせた全体でも約1,000本程度と、まだまだ少ない。
なお、冒頭にも書いたとおり、Apple TVでは映画作品の「購入」は行えず、「レンタル」のみの対応となる。レンタルした作品は30日以内に再生を開始し、一度見始めた映画は48時間以内に見終える必要がある。
映画作品のレンタル価格は、HDの場合、新作が500円、旧作が300〜400円。SD画質の作品は新作が400円で、旧作が200〜300円となっている。
レンタル作品の一覧画面は、非常にスピーディーに表示され、サムネイル表示がもたつく印象はほとんどない。作品詳細への遷移などのスピードも高速だ。なお、作品の詳細画面ではプレビューも行うことができるほか、その作品を視聴したユーザーが、ほかにどの作品を見ているかも表示される。
作品詳細画面のレイアウトが整然としていたり、キャストや監督ごとの作品一覧への遷移がスムーズに行えるなど、インターフェースの自然さは、アップル製品らしいセンスの良さを感じる。ただし、一覧画面で表示されるのが作品のジャケット写真のみで、作品を選択しないと作品名が表示されないのは、やや不親切。ジャケットのアートワークによっては作品名が判別できないものも多いからだ。
作品を検索することもできるのだが、付属のリモコンではアルファベットしか入力できず、日本語検索は行えない。iOS用アプリ「Remote」を使えば、日本語入力もまったく問題なく行えるのだが、今後作品数が増えてきて検索が必須になる前に、付属リモコンでも日本語入力を可能にすべきだろう。
実際にHD作品をレンタルしてみた。アップルの仕様表によると、HD動画の解像度は「1,280 x 720(最大)」となっており、フルHDではない。もともとアップルはiPadやiPhoneでも最大で720pまでしか対応しておらず、あまりフルHDにこだわっていない。
コーデックはH.264だが、ビットレートもブルーレイには遠く及ばない。同じ作品のブルーレイソフトと見比べてみたが、その画質には大きな差がある。
だが、両者を仔細に見比べるのでないかぎり、圧縮に伴う画質劣化はそれほど強くは気にならない。一般的に「HD動画」と表現するには十分な画質と言えるだろう。
レンタル作品の早送りや巻き戻し、いわゆるトリックプレイも行えた。再生中に右ボタンを押すと早送りを開始。もう一度押すとさらに早送りスピードが速くなり、3段階での速度切り替えが行える。最高速からもう一度右ボタンを押すと、通常再生に戻る。
再生中にカーソルの上ボタンを押すと作品情報も表示される。再生画面の上に重ねて表示されるので、視聴をそれほど妨げられずに、あらすじや作品情報をチェックできる。ただし、それほど作品情報は多くない。