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3社のレコーダー最上位機でテスト

実はプレーヤーでも変わる3Dの「立体感」 − 話題の『アバター』で徹底比較

公開日 2010/12/02 17:11 一条真人
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12月に入り、2010年も残りわずかになってきた。今年も様々な話題があったオーディオビジュアル業界だが、最も大きなトピックは、やはり3D映像環境の出現ではなかっただろうか。

今年4月、パナソニックが3D対応のVIERAとDIGAを投入したことを皮切りに、各社から3D対応テレビやレコーダー、プレーヤーが登場。年末にかけて、次第にBlu-ray 3Dソフトのラインナップも揃ってきた。

ハード、ソフトの両面で離陸した3D映像。今後普及が進むにつれて、3Dはその目新しさだけでなく、画質に関してもユーザーからシビアに判断されることになるだろう。

■3D映像の品位を決定づけるのはテレビの性能だけなのか

Blu-ray 3Dの視聴には、言うまでもなく3D対応のテレビとBlu-ray 3D対応レコーダー、あるいはプレーヤーが必要になる。

多くの人は、3D映像の画質の多くがテレビによって決定されると考えているだろう。もちろんこれは間違いではない。特に、3D映像の画質を語る上で欠かせないクロストークの大小は、基本的にテレビの性能で決まる。

ではプレーヤーによって3D映像の画質に差は出ないのかというと、そんなことはない。2D映像と同じように、3D映像でもプレーヤー間の画質の違いというものが確かに存在する。

それどころか3D映像の「立体感」「質感」までもがプレーヤーによって変化することを、今回、パナソニック開発陣へのインタビューや比較視聴など、いくつかの取材で体感することができた。

プレーヤーの画質への影響を考察する前に、まずプレーヤー内でBlu-ray 3Dを再生する際のステップを考えてみよう。

Blu-ray 3Dディスクには、映像データがMPEG-4 MVC形式で収録されている。一般的な映画ソフトの場合、フルHD解像度の左目用映像と右目用映像が収録されており、これをまずデコードする必要がある。デコードされた左右それぞれの映像は、最終的に左目用、右目用と時間軸上で交互に並べられ、いわゆるフレームシーケンシャル映像としてHDMIから出力される。

この流れのなかで高画質化を図れるのは、デコードした映像を出力するまでのあいだしかない。つまりデコード後の映像処理の方法やその精度が、3D映像の画質に影響することになる。

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