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3名の評論家がその実力へ徹底的に迫る

“ソニー史上最高の音再現力“のモニターヘッドホン/イヤホン「MDR-Z1000/EX1000」登場

公開日 2010/12/06 12:00
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文 / 高橋 敦(プロフィール

■普及モデルにもフラグシップ機との共通点が多数存在

一挙に発表されたソニーのモニターヘッドホン/イヤホン新ラインナップ。ヘッドホンは、フラグシップMDR-Z1000に、MDR-ZX700、MDR-ZX500、MDR-ZX300、MDR-ZX100が続き(関連ニュース)、イヤホンではフラグシップのMDR-EX1000に続くMDR-EX600、MDR-EX510SL、MDR-EX310SLという普及価格帯のラインナップが用意されている(関連ニュース)。

ヘッドホンのラインナップ。なお、ZX500/ZX300/ZX100の3モデルはそれぞれカラーバリーエーションも用意している

イヤホンのラインナップ。こちらもEX510SL/EX310SLはカラーバリーエーションを用意

最上位機のZ1000とEX1000のみに搭載された技術として共通する要素を挙げると、液晶ポリマーフィルム振動板とマグネシウムハウジングが大きい。共に軽量かつ高剛性、高い内部損失を持つ素材だ。またケーブルの導体が高純度7N-OFCであることも同じく大きい。

しかし、MDR-Z1000とZX700、MDR-EX1000とEX600を比べてみると、その素材の点以外は、技術や構造の多くが共通していることに気付く。つまり少し乱暴ではあるが、おおよそ以下のように言える。

コストをある程度までは度外視し、考え得るベストの素材を投入しているのがZX1000でありEX1000。その両機と共通の技術を用いながらも素材面は価格も考慮に入れたベターな選択とすることで、コストパフォーマンスも達成しているのがZX700でありEX600、ということだ。

さて、ここではラインナップの中でも最上位機に次ぐ位置づけのMDR-ZX700とMDR-EX600に注目してみよう。

まずはオーバーヘッドのMDR-ZX700。振動板素材こそ異なるが、ドライバーユニット口径(50mm)と高磁力ネオジウムマグネットの採用はZ1000と共通だ。

MDR-ZX700

そして新開発のノイズアイソレーションイヤーパッドは、形状を縦長にして耳の上下を効果的に覆いつつ、左右の幅は絞って髪の毛の挟み込みを減らしている。

ここで触れておきたいのは、髪の毛の挟み込みを減らしたということは、すなわち隙間を減らしたということである点。これにより、遮音性が向上しているというわけだ。また、低反撥ウレタンフォームのクッションで密着性を向上させることでも、遮音性をさらに高めている。この部分が共通ということは、ZX700の装着感と遮音性は、Z1000とほぼ同等であることが分かるだろう。

さらに、プラスチック製のハウジングも梨地仕上げで精悍。Z1000と並べても大きな見劣りはない。

■EX600も最上位機同様の16mm径ユニットを搭載

続いてインナーイヤーのMDR-EX600。

MDR-EX600

おなじみバーティカル・イン・ザ・イヤー方式にてユニット口径拡大を実現し、EX1000と同じく16mmのユニットを搭載することに成功した。この大口径が広い帯域に渡る優れた特性を生み出す。高磁力ネオジウムマグネット搭載もEX1000と同様だ。

振動板素材は、2種類の高分子材料を数百層に積層したマルチレイヤー。最上位機に採用されている液晶ポリマーにこそ若干及ばないものの、これも高い剛性と高い内部損失を備えている。

さらに、イヤーハンガー部分に「テクノロート(R)」を採用したり、ノイズアイソレーションイヤーピースを付属させるなど、装着性と遮音性に大きく関連する2点もEX1000と共通している。

改めて説明しておくと、ケーブル付け根付近、耳の上にかけるフレキシブル・イヤー・ハンガー部分には、三井化学の開発したプラスチック素材「テクノロート(R)」を採用。自由に曲げられ軽量。折れにくく、仮に折れたとしても、針金のように鋭く尖る危険性はない。

また、イヤーピースも進化している。2種類の硬度のシリコンを組み合わせることで装着性と音質を両立させたハイブリッドイヤーピースをベースに、イヤーピースの内側に低反撥ウレタンフォームを装備。耳の穴の細かい凹凸にもフィットする、ノイズアイソレーションイヤーピースとして付属する。

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