HOME > レビュー > 仕組みからパケット分析まで − iOS 4.2で登場した「AirPlay」の深奥に迫る

オーディオ/ビデオを無線伝送

仕組みからパケット分析まで − iOS 4.2で登場した「AirPlay」の深奥に迫る

公開日 2010/12/07 12:56 海上忍
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

■AirPlayで再生できるコンテンツ

本稿執筆時点でのAirPlay送出側デバイスはiTunes 10.1以降が動作するパソコン、またはiOS 4.2のiPad/iPhone/iPod touchだ。現在入手可能なAirPlay対応デバイスは第2世代AppleTV以外になく、他機種では検証できないが、(AirTunesをサポートする)AirMac Expressがオーディオ再生機器として利用できることは確認されている。

iTunes右下のボタンをクリックすると、出力先のデバイス(ここでは第2世代AppleTV)を選択できる

AirPlayを流れるデータはHDMI/HDCPで保護されるため、非対応機では受信できない

AirPlayを経由しAppleTVで再生できるコンテンツだが、結論からいうと、iTunes 10.1/iOS 4.2.1で再生可能なコンテンツであれば、Appleの著作権保護技術(DRM)「FairPlay」に反した使い方でないかぎり、問題なく扱うことができる。ただし、iTunesライブラリに登録/再生できたコンテンツすべてがAirPlay経由で出力できるわけではなく、一部のフォーマットは「このコンテンツを読み込み中にエラーが発生しました」と、第2世代AppleTVでの再生は拒否される(表1)。

表1:iTunes 10.1に登録したコンテンツのAirPlay対応
音楽 MP3
AAC(DRMなし)
AAC(DRMあり) ○
ALAC
AIFF
WAVE
WMA(Windows版) ×
動画 MP4(MPEG-4)
MP4(H.264)
QuickTime
MPEG-1 ×
WMV(Windows版) ×


AirPlayに対応するiOSアプリは、現在のところAppleがリリースした製品に限定されると考えられる(表2)。ただし、撮影した静止画や動画を閲覧する標準装備のアプリ「写真」は、静止画とスライドショーを出力できたものの、動画に対応しないため、iPhone 4で撮影した映像を第2世代AppleTVで楽しむことはできなかった。

iOS 4.2デバイスからも音楽や動画をAirPlay経由で出力できる。タスクを切り替えれば、出力中にほかの作業をすることも可能

表2:iOSアプリのAirPlay対応状況
アプリ名 対応状況
iPod ○(iPhone、iPod touch)
ビデオ ○(iPad)
YouTube
写真 △(静止画とスライドショーのみ)
GoodReader △(音声のみ)
Air Sharing Pro ×(出力先にAppleTVは表示されるが選択できない)


サードパーティー製アプリは、動画を含むさまざまなフォーマットに対応したファイルビューアアプリ「GoodReader」で音声の再生を確認できたものの、映像は表示されなかった。同じくビューアアプリ「Air Sharing Pro」も試してみたが、出力先デバイスとして第2世代AppleTVは表示されたものの、タップしても選択できず実際には機能しなかった。

次ページパケットからAirPlayを分析する

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: