注目製品レビュー
発売前に総チェック! 「ブルーレイDIGA」春モデルの進化点を実機検証
■録画/再生関連の新機能を検証する
DIGA 2011年春モデルでは、エントリー版のDMR-BRT300と普及価格帯のDMR-BWT500を除く6機種中の4機が、3基の地上/BS/110度CSデジタルチューナーを搭載。これにスカパー! HDを合わせると、最大4番組の同時録画が可能になった。さらに今回試用した旗艦機の「DMR-BZT900」は、容量3TBのHDDを内蔵したことにより、BSデジタル放送品質のDRモード(約24Mbps)で270時間もの録画が可能だ。
多くのユーザーが利用すると推定される地上/BS/110度CSデジタル放送の3番組同時録画は、ごく自然な形で実現されている。従来どおりEPGの画面で録画予約すれば、その時間どおりに録画が開始される。放送時間の延長に伴う処理も従来どおりで、データ圧縮を伴う長時間モードでの録画にも対応している。
ただし3番組一律に長時間モードを適用できるわけではなく、うち3番組目は一時的に無圧縮のDRモードで録画し、電源オフ後にあらかじめ設定した録画モードへAVCエンコードする、というしくみを採用している。エンコーダは従来どおり2系統で、チューナーが1基追加されたわけだ。
一方で、録画時でもさまざまな同時動作を可能にする「マルチタスク」も考慮されている。3番組を同時録画しつつBlu-rayディスクを再生したり、録画番組を追っかけ再生したりできる。写真の再生やHDDへのダビング(コピー)、お部屋ジャンプリンク機能(DLNAサーバ/クライアント)など、一部の機能はマルチタスクに対応しないが、HDDに録画した番組に関しては3番組同時録画中でもほぼ思い通りに操作できると言っていい。
具体的には、3番組同時に長時間録画(実際にはうち1番組が録画完了後のAVC変換)を行う場合でも、高速ダビングや再エンコード、持ち出し転送が可能だ。オートチャプターも設定できるし、2D/3DのBD再生も3番組同時録画と並行して楽しめる。
画質の面で特筆すべきは、新搭載の「3D奥行きコントローラー」だ。3Dメガネにおける左右の映像視差を調整し奥行き感を調整するというこの機能、飛び出して見える効果を-5〜+3段階(0を入れると全部で9段階)で調整できる。3D映像は視覚に与える刺激が強く、より眼前に迫るプラス方向へ調整するとストレスを感じることもありそうだが、反対にマイナス方向へ調整すると、3D映像から受ける印象は長時間の視聴にも耐えられそうな穏やかなものに変わる。画面の両端を曲げて表示する「曲面表示機能」とあわせ、3D映像視聴時のスパイス、あるいは清涼剤として大いに価値があるはずだ。
2D/3D変換機能にも注目したい。同機能を搭載していない3Dテレビが少なくない現状、ほぼすべての機種に変換機能が搭載されるということは、3Dコンテンツに乏しい現状では利用価値が高い。エコポイント目当てで3Dテレビを購入したばかり、という消費者にとっては朗報だろう。