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個性豊かな4モデルに迫る

ハイクオリティな音とデザインにこだわる「PHIATON」 − 注目ヘッドホン&イヤホンを集中試聴

公開日 2011/03/11 10:04 レビュー/高橋 敦
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プレミアム感溢れるフラグシップ・ヘッドホン「PS 500」


オーバーヘッドタイプの最上位機「PS 500」
本機はハウジング外装に本革を採用したプレミアム感の溢れるヘッドホンだ。本革なので革の模様はひとつひとつが異なり、全く同じものは世界にふたつと存在しないこともプレミアムモデルならではの魅力だ。

ヘッドバンド、およびイヤーパッドはクッションが肉厚。イヤーパッドは肌触りのよい新素材を採用しており、耳をすっぽりと覆うタイプなので、耳が押しつぶされるようなことがない。装着感は良好だ。しなやかな布巻きケーブルも絡みにくく軽く、扱いやすい。

ヘッドバンドとイヤーパッドには肌触りの良い新素材が採用されている

肉厚で耳を柔らかく包み込むイヤーパッド


ケーブルは左右イヤーカップからの両出しタイプ

ケーブルの外装には布素材を用い、軽快な取り回しを実現している


ステレオミニからステレオ標準プラグへの変換アダプタが付属する

ハウジングの外装にも柔らかい感触の本革を用い、フラグシップモデルならではの高級感を持たせている


長さ調整が可能なヒンジ部にはメタル素材を採用。左右のハウジングが識別しやすいよう、メタルプレートにLEFT/RIGHTを表記している

ヘッドバンドとイヤーカップのジョイント部もスムーズな稼働を実現
ドライバーユニットにはチタニウム・ドライバー・テクノロジーを採用。ドライバーにチタン・コーティングを施したことで、広帯域再生を実現している。またスピーカーでは一般的なバスレフ構造を採用しており、ドライバー後方に発生する低音を位相調整したうえで、前面ポートから放出。低音再現力を強化している。ほかにもフロント・ダンパーとハウジング・ダンパーによって、不要振動の抑制など音質チューニングを行っている。

PS 500の内部構造。40mm径のチタンコートドライバーを搭載している

バスレフポートを効果的に配置。ドライバー後方で発生する低音を位相を調節し、前面に放出することで、豊かな低音再生を可能にしている

Helge Lien Trio「Spiral Circle」の冒頭から、強烈に太く重い低音に驚かされる。ドラムスもベースも大柄な音像で、しかも音色が濃い。一発一発の抜けというよりも、ドラムス全体の音圧で圧倒してくる。非常に充実、存在感の強い低音だ。ベースもアタックのゴリッとした感触は強調せずに、しなやかで重い。


PS 500を試聴する筆者。長時間のリスニングにも疲れない、快適な装着性を確認できた
またベースはボウイング(弓を使う奏法)の場面での野太さも印象的だ。重い何かを地面に引きずるような手応えを感じさせる。中高域の描写力も良好。シンバルの抑揚、スネアのゴーストノートなど、演奏の機微も見事に拾い上げて届けてくる。

荒井由実「ひこうき雲」では、まずベースの音色の広がりが耳に留まる。音場全体になじんでいくような広がりを持ち、まさに音場のベースになっている。それでいて転がるようなフレーズの軽やかさも損ねはしない、良質な広がりだ。ボーカルの緊張感は控えめで、穏やかさの方に重きを置くが、そのストレートさと微かに見せる不安定さのどちらもしっかりと伝えてくる。

厚みのあるイヤーパッドに包まれる心地よい装着感と実に似つかわしく、充実の低音に支えられた柔らかな音場に包まれるヘッドホンだ。



【PS 500のスペック】●型式:ダイナミック ●ドライバーユニット:40mmチタンコーティング ●インピーダンス:32Ω ●再生周波数帯域:5Hz〜30,000Hz ●出力音圧レベル:102dB ●最大入力:2,000mW ●質量:259g(コード除く) ●ケーブル長:3m ●付属品:6.3mmステレオプラグアダプター

◆PHIATONオフィシャルサイト 「PS 500」の製品情報
◆Phile-webニュースの「PS 500」関連ニュース

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