「ヘビーなユーザーにこそオススメしたい強力な製品」
BDレコーダーを超えた!? 一条真人がマクセル “iV”レコーダー「VDR-R2000」を徹底レビュー
◆◇◆ BDにはないメリットがたくさん!iVDRはこんなに便利! ◆◇◆ |
■iVDRの利点は『大容量とスピード、省スペース』
さて、iVDRの利点とはどういうものだろう?ブルーレイ・ディスクと比較した場合、それは『大容量とスピード、省スペース』ということになるだろう。
ブルーレイ・ディスクが1枚で25GBの容量しか持たないのに対して、iVDRは1つのカセットで現時点で最大500GBもの容量を持っている。そのため、iVDRであればディスクの交換なしに、ブルーレイ・ディスクの最大20倍のデータを転送できることになる。
大量に録画を保存したい場合はメディアの保管スペースも重要なファクターになるが、iVDRはブルーレイ・ディスクの通常のプラスティックケース3つ分程度のサイズのカセットに最大500GBが収納できてしまうため、省スペース性能は圧倒的に優れている。また、近い将来には1TBのiVDRカセットも登場する予定になっている。圧倒的な大容量を省スペースで保管できるのだ。
そして、コンテンツの転送速度に関しても大きな違いがある。
500GBのiVDRを使った場合、内蔵HDDからダビングするときの速度はTS録画した映像で約9倍。現在のブルーレイが最速のメディアでも6倍なので、すでに約1.5倍高速なわけだが、容量の小さいブルーレイでは大量にダビングしたい場合、頻繁にメディア交換をしなければならず、iVDRとのその差はさらに開いていく。
さて、iVDRはカセット自体に著作権保護機能を持っているため、使っている機材に関わらずiVDR間のダビングはムーブであれば何度でも行うことができる。そのため、iVDRカセットからWooo、もしくはレコーダーのHDDにムーブし、それを異なるiVDRカセットへムーブすることも簡単に行える。
つまり、「お気に入りのコンテンツを集めたマイ・カセットを作る」というような使い方が手軽にできるのだ。例えば、最高画質のTSモードで録画した1クール分の連続ドラマをまるまる1つのメディアに収録することも可能。これはブルーレイ・ディスクにはマネのできない、大容量なiVDRならではの使い方と言えるだろう。
■iVDRは“ハイビジョン時代の録画メディアのスタンダード”になれる
さらに、iVDRでは1つのカセットごとに著作権保護を行なっているという点は、再生機器の寿命という問題を考える上でもメリットになる。
iVDRでは、カセットを他のiVDR機器に挿してもそのまま再生することができる。レコーダーで録画したカセットを持ち歩き、他のプレーヤーやテレビなどの機器にセットして再生可能なわけだ。また、レコーダーを買い換えた場合でも、もちろんカセットをそのまま再生できる。
これが何を意味するのか。それは外付けUSBハードディスクへの録画との比較において大きなメリットになるということだ。
最近では外付けUSB HDDへの録画に対応したテレビやレコーダーが増えてきた。しかし、USB HDD自体は著作権保護機能を持たないため、レコーディング機材側(テレビ/レコーダー)が著作権保護を行う。このため、初期化登録したテレビ/レコーダーでしかUSB HDD内の録画コンテンツを再生できない。
つまり、録画に使ったレコーディング機材が壊れると、HDD内に残っている録画コンテンツが再生不能になってしまうのだ。iVDRではこうした問題が起こらないというのも大きな特徴である。
ちなみにiVDRカートリッジは耐ショック機能を搭載しているため、HDDであるわりには気軽に扱うことができる。例えば「家で録画したニュースを会社で見たい」といった場合でも、あまり持ち運びを躊躇しなくてすむ。
このように多くの利点を持つiVDR。個人的には、次世代DVDと呼ばれるブルーレイよりも“ハイビジョン時代の録画メディアのスタンダード”になれる可能性があるのではないかとさえ感じるほどだ。