新“ドリーミオ”の実力を徹底解剖
プロジェクターの3D映像が新たな飛躍を遂げた − エプソン「EH-TW8000W」の画質に山之内正が迫る
「明るい3D映像」や「ワイヤレス接続」がプロジェクターの未知なる可能性を広げる
エプソンが満を持して導入した透過型液晶3Dプロジェクターの上位モデルがTW8000シリーズである。最新の「D9」プロセスで製造された液晶パネルを高速480Hzで駆動し、メガネのシャッターを閉じる時間を減らしたことで、既存の3Dプロジェクターとは一線を画す、明るい3D映像再生を実現。シアター専用室だけでなくリビングでも楽しめる新世代の3Dプロジェクターの登場である。
本機が採用する0.74型の液晶パネルは、同時期に開発された0.61型のパネルよりも開口率が高く、さらに上位のTW8000シリーズでは引き締まった黒を再現する「ディープブラック」技術が採用され、その効果も期待できる。
効率よく明るさを引き出すE-TORLランプの出力は230Wにアップしており、3D/2Dともにハイライトの描写に余裕があることも特筆に値する。ダイナミックコントラストの数値が20万対1と突出しているのは、そうした独自技術を積み重ねた成果なのだ。
型名の末尾に「W」が付くモデルは、ワイヤレスでHDMIの映像・音声信号を伝送する「WirelessHD」技術を搭載しているため、BDプレーヤーなど再生機器とプロジェクターの間にHDMIケーブルをつなぐ必要がない。設置方法に関わらず、プロジェクターへの配線が電源ケーブルだけで済み、室内をすっきり整理できるメリットは大きい。
設置方法もとてもシンプルで、小型のトランスミッターをスクリーン周辺に置くだけで良く、確保できる距離も直線約10mと余裕がある。また、非圧縮による無線伝送なので劣化や遅延がなく、バイパス経路の確保により信号の途切れも巧みに回避している。
設置性を左右するもう一つの注目すべきポイントは、TW8000シリーズでは光学式のレンズシフト機構を搭載していることだ。上下96%、左右47%と範囲が広く、WirelessHD機能と組み合わせると、本体設置の自由度は一気に高まる。これまでプロジェクターの導入を諦めていた環境でも、本機なら無理なく設置できるというケースは多いのではないだろうか。
次ページ映像視聴Part1:クロストークの低減と明るさを両立させた「3D画質」