3D/2D映画をじっくり視聴
ソニー「HMZ-T1」を山之内 正が4時間ぶっ続け視聴 − 「一度体験すると忘れられない3D映像」
■3D映像のクオリティをチェック!
HMZ-T1の最大の注目ポイントはいうまでもなく3D映像の描写性能だ。有機ELパネルを2枚使用し、右の画面には右目用の映像、左の画面には左目の映像だけを表示するので、原理的にクロストークが発生しないという点がまずは重要。1つのディスプレイに両目の映像を表示する3D表示とは、まったく原理が異なるのだ。
ミラーを使ってそれと等価の状態を作った実験装置の映像を見たことがあるが、そのときは人物の立体的な描写に圧倒された記憶がある。クロストークが存在しない3D映像は、一度体験すると忘れられないほどの強烈なインパクトを残す。HMZ-T1の3D映像は、そのときの体験に近い感動をもたらす。そして、明るさとコントラストにまったく不満を感じずに済むのは、間違いなく有機ELの威力だ。
その高水準な画像をベースにしながら、クロストークから完全に解放されることによって、精度の高い3D映像が初めて現実のものになる。逆に言えば、そのどれか一つが欠けてしまうと、満足できる3D映像にはたどり着かないということだ。
本機の3D映像は、高輝度、高コントラスト、クロストークフリーという3つの条件を高い次元で満たしているので、これまでテレビやスクリーンで体験した3D映像とは本質的な違いがある。
ひとことで言えばストレスが少なく、違和感がない。ディスプレイで見る2D映像と、普段私たちが見ているリアルな映像の間に位置する、自然な3D描画を実現しているといっていい。