3D/2D映画をじっくり視聴
ソニー「HMZ-T1」を山之内 正が4時間ぶっ続け視聴 − 「一度体験すると忘れられない3D映像」
■光漏れが気になるなら部屋を暗くすれば良い
2D映像を見ているときにはそれほどでもないが、3Dの場合はHMZ-T1をかけているときに下の方から部屋の明かりが漏れてくるのが気になることがある。それを避けるために本機にはゴム製の「ライトシールド」が付属するが、手っ取り早い解決策は部屋の照明を消してしまうことだ。
もともとHMZ-T1を使っているときは手元もほとんど見えないし、音量も本体で操作できるので、それでも特に困ることはない。端から見ればかなり異様な光景だろうが、映像に没頭している本人はお構いなしだ。
本機を自宅で試した初日は、映画や音楽のBDから何ヶ所か抜き出して2D映像を2時間ほど見た後、『クリスマス・キャロル』を全編通して3Dで視聴。さらに『アバター』も半分ほど見たが、そのあたりで目の疲労が限界に達した。
無茶な視聴方法ということは承知だが、特に3D映像のインパクトが予想以上に大きかったので、目がショボショボしてきたにも関わらず、つい長時間見続けてしまったのだ。HMZ-T1を手に入れたら、少なくとも連続視聴は2時間程度に抑え、適度に休憩を入れた方がいいと思う。
3DテレビとHMZ-T1のどちらが目の負担が大きいかは実験してみないとわからないが、それぞれストレスの中身は異なるように思う。
3Dテレビの場合はクロストークの存在とシャッター付きメガネの違和感が大きく、それが疲労を蓄積させる。一方、HMZ-T1は画面を凝視することによる疲労がたまるようだが、クロストークや暗さを原因とするストレスはほとんど無視できる。頭部に420gの本体を装着し続ける物理的な疲労感は、私にはそれほど気にならなかった。
■サラウンド効果が高く広がりのある音質
最後にサウンドにも触れておこう。バーチャルサラウンド方式の効果ははっきり聴き取ることができ、『アバター』の戦闘シーンなど思いがけないほどの広がりもある。オープンエアタイプの限界か、低音の伸びとエネルギー感は改善の余地があるが、本体がさらに重くなることは好ましくないので、難しいところだ。ヘッドホンを交換可能にすれば、好みに応じてカナル型と組み合わせるなどの選択肢も生まれ、面白いかもしれない。
(山之内 正)