クオリティ&使い勝手に新たな発見
エプソン“MOVERIO”モニターレポート【第1回】 ー 「持ち運べる大画面」の魅力を読者が体験
「サクサク動く操作感。視聴スタイルの自由度も高い」
(京都府/辻本様)
今回、エプソンのシースルーモバイルビューアー“MOVERIO”「BT-100」を2週間ほど使ってみた感想をレポートします。いくつかのチェックポイントに分けて、本機の特徴をレポートさせていただきます。
デザイン・印象
第一印象はサングラスのようで近未来的なデザインだと思いました。すごくかっこいいと思います。コントローラーも付属しているので、箱を開けてみて色々なことができそうな期待感が高まりました。コントローラーを充電した後、ヘッドセットとコントローラーを接続するだけで使えるので、非常にわかりやすく、すぐに理解できるのは良いと思います。
フィット感・重さ
さっそく装着してみました。鼻パッドが3種類あり、鼻との接触部の開き幅も3段階に調節できるので、ユーザー個別に最適な装着感が得られるのが良いです。私は眼鏡を使用していませんが、眼鏡を使っている人も装着できると思います。きちんと調整すると、すごくピッタリと取り付けることが可能で、フィット感は素晴らしいです。
重さに関しては240gの軽量ボディなので、最初は全然気になりませんでしたが、長時間付けているとやはり重さを感じます。重さと言うよりも、長時間装着していると鼻パッドの位置と装着部の締め付け部に少し痛みを感じました。
コントローラーの操作性
操作はコントローラーで行うのですが、ヘッドセットを装着した状態でコントローラーを操作するのに最初は戸惑いました。手元が見えにくいので感覚を掴むのに少し時間がかかると思います。トラックパッドの使い方も難しく感じました。私がトラックパッドを初めて使ったのもありますが、画面と指が離れた場所にあるため、ポインターの動きと指の動きを連動させるのに四苦八苦しました。特に最初のロック解除はできるまでに数分かかりました。もう少しロック解除の操作が簡単に行えると良いと思います。
文字入力については、かなり苦労しました。Wi-Fiの設定時、パスワードの入力を何度も間違えました。コントローラーにテンキーを付けるか、外付けキーボードをコントローラーに接続できるようにして欲しいと思います。
映像の視聴感
MOVERIOはケーブルで直接プレーヤーなどに接続できないので、最初はこれで何を見ようかしばし考えました。そこで、今回ははじめにデジカメで動画を撮影したものから見てみました。動画を再生すると目の前に迫力たっぷりの映像が広がりました。スタンドアローン型であることが本機の良いところだと思いますが、一方で映画を見たり、レースゲームを楽しみたいと思っていたので、できれば外部入力もあればなお良いと感じました。
Androidが搭載されているので、さっそくブラウザを使って、まずはYouTubeにアクセスしてWeb動画を見てみました。「Bali Diving HD」「beautiful nature scenery」など、環境系の映像を見ました。感動の一言でした。目の前に広がる大自然を大きなスクリーンで見ているようでした。
「HD 高画質 秒速5センチメートル」も見ましたが、こちらは音に感動しました。臨場感があり、迫力のあるサウンドです。特に低音の響きが素晴らしいです。音に包まれているというか、全体から聞こえる感じが印象に深く残りました。
ただ一方で、視聴するスクリーンに枠が付いてしまうことが気になりました。タブレット端末で動画を見ているような気にさせられます。また、映像の端が白く光るので、大迫力で動画を見ていても少し気になってしまいます。
でも、シースルーでこれほど高画質な大画面が見られることは驚きです。本当にどんな仕組みでできているのだろうと不思議に思うほど驚きました。シースルーだから、視聴中でも周囲の状況が分かるので熱中しすぎることもなくなります。ただ、反対に映像に没頭したいときは周りの景色が見えてしまうことが少し邪魔に感じることもあると思うので、シースルーモードと、映像に没頭できるように周りをブラックアウトするようなモードの2種類が用意されているともっと良いと思います。
Androidアプリを使ってみた
Android 2.2が搭載されているので色んな事ができるだろうと期待していましたが、使いこなすのには結構コツが要ると思いました。
まずAndroidマーケットからアプリをダウンロードできないので、本体にアプリをインストールするのが大変です。他のアンドロイド端末にMOVERIOで使うmicroSDHCカードを入れて、本機で使いたいアプリを「AppMonster」とういアプリでカードにバックアップした後、カードを「BT-100」に挿入し、SEViewerでインストールするという方法をとりました。この手順がわからないと、アプリをどうやってインストールするのか分からないと思います。できれば「BT-100」へのアプリのインストールの仕方をQ&Aなどで紹介するか、Androidマーケットから直接インストールできるようにして欲しいです。ただAndroidなので、これからのアップデートも含め、将来性には大いに期待したいと思います。
今回試してみたアプリは「MX動画プレーヤー」です。様々な形式の動画を見れるので、今回試してみることにしました。MOVERIOと非常に相性が良いようで、使いやすかったです。
「アストロファイルマネージャ」も使いました。MOVERIOにはファイルマネージャーがプリインストールされていないので、こちらでファイルを管理しました。
DLNAサーバー上の動画を再生できないかなと試行錯誤しましたが、私にはやり方がわからず断念しました。本機でも簡単にDLNAを使えるようになれば、さらに使いやすくなると思います。
操作感自体はCPUのパワーも十分にあるようで、サクサクと操作できました。他社製のタブレット型のAndroidプレーヤーを持っていますが、それよりもサクサク動作するので、非常に快適でした。
視聴中の使用感と、携帯性
ヘッドマウントスタイルなので、体勢を自由に変えながらでも見られるところが良いと思います。寝転びながら天井に向かって見るのも楽だし、この体勢だと凄く見やすいです。背景が「白い壁」だと見づらく、反対に少し暗い所を背景にした方が見やすく感じました。また、視点を遠くに向けると、視聴している画面も本当に大きくなるので感動しました。ただ狭い部屋などで見ていると、この視覚効果が活かせないこともあると思うので、視点を遠くに移さなくても大画面が見られるようになると、なお良いと思います。また、中心部にのみ映像が浮かぶような見え方になるため、画面が小さく感じてしまいました。私の希望としてはスクリーン全体に映像が広がるようなモードも欲しいなと思います。
キャリングケースが付いているので持ち運びについてはとても優れています。今回は電車で移動し、友達の家にMOVERIOを持ってお邪魔しました。まずキャリングケースに付属品を含めて全部のアイテムを入れても軽いので運ぶのが楽です。ケース自体もしっかりとした作りなので安心して運べます。見た目にもカッコイイので凄く気に入りました。
MOVERIOはコントローラーを充電して使う製品なので、外出先で使ったり、電源を確保できない場所でも使えるのが本当に良いと思います。フル充電での駆動時間も約6時間あるので、外出先でもたっぷり楽しめます。
次回もPhile-web読者の皆様によるモニターレポートをお届けします!