一条真人の体当たり実験室
【動画レポート】バンジージャンプで試す、ソニー新ハンディカム「空間光学手ブレ補正」の威力
■22メートルという高さの壁
バンジージャンプの装備を装着してバンジータワーに移動していくと、2台(PJ760VとCX700V)のビデオカメラをかまえたK編集長が目に入った。楽しそうに笑っている気もしたが、きっと気のせいだろう。とりあえずサムアップして見せる。
階段を登って行くと、高さがしだいにリアリティを持ってくる。高度が高まるにつれて、サムアップどころではなくなっていく。
一番上に来るとかなり精神的に追い込まれる。何せ高さは22メートル、7階建てのビルと同じくらいなのだ。ここまで来て帰るわけにもいかないので、ジャンプ台に向かうしかなかった。ジャンプの説明員がロープの金具をセットし、ジャンプの説明をしてくれる。
「つま先をジャンプ台から少し出して、頭の後ろで手を組んで、私がカウントしたら、そのまま体を曲げずに前に倒れこんでください」。
言われた通りに、足の先を台から出すが、これだけでも怖い。実際にジャンプ台から見下ろすと、下から見たときよりもはるかに高く感じられる。
「これは人間が飛んでいい高さじゃない」と思いながら、頭の後ろに両手を組む。
すぐさま「ワン、ツー、スリー、バンジー!」と説明員の人がカウントするが、体をわずかに前に動かすだけで、飛ぶことができなかった。これは飛んではまずい高さだと本能的に感じ、体が動かなかったのだ。
「もう一度、カウントします。ワン、ツー、スリー!」僕に何のことわりもなく、次のカウントが行われる。もう腹を括るしかない。これで飛べなかったら、もう飛べない気がして、かなり勇気を振り絞ってのジャンプだ。前に倒れこむという動きはできず、少し膝を曲げて倒れるように足を踏み出した。
落下しながら「これは確実に死ぬな」と思ったが、なんとかセーフティロープが体を支えてくれた。
正直、ジャンプしてからの数秒間は、この数年でもっとも心理ストレスが高かった。バンジー恐るべしである。
■安定した映像はさすが
こうして、バンジージャンプのシーンは無事、ビデオカメラに収められた。空間光学手ブレ補正の威力はさすがで、常に安定した映像が撮影できているのに感心した。子供の運動会などの撮影で威力を発揮してくれそうだ。
冷静に考えれば、バンジージャンプを飛ばなくても、そのあたりにあるものを撮影してもよかったと思う(編集部注:気づくの遅いよ!)。
だが、長い期間をかけて開発された製品をチョコチョコといじっただけで偉そうに、いいの悪いのと原稿を書くだけでは、開発した人に失礼というもの。僕もレビューに対して真剣に取り組んでいることが伝わったら嬉しい。
(一条真人)