海上忍氏がハンドリングレポート
【レビュー】Xperiaの“腕時計型タッチパネルリモコン”「SmartWatch MN2」を試す
■「他社製品の後追いではないサムシングがある」製品 − 次期モデルにも期待
前モデルのLiveView MN800を知っていれば、このSmartWatch MN2を手にしたとき必ず「オッ?」と思うはず。アルミフレームに全面タッチパネル、クリップの形状やmicroUSBコネクタの位置に至るまで、そこに新たな“デザイン”を確認できるからだ。
ソニーは、Xperiaを「ハブ」(車軸)に見立てた製品ラインナップを目指しているのかもしれない。LiveViewの名称を「SmartWatch」に改めたこと然り、デベロッパーキット(SDK)を公開しサードパーティー製アプリの開発を促すこと然り、そこには中長期的ビジョンの存在を見て取れる。Android OSの枠内ではあるが、他社製品の後追いではないサムシングがあることは確かだろう。
気になった点としては、有機ELディスプレイの明るさが挙げられる。屋内では十分な明るさを得られるが、屋外では輝度不足を感じた。有機ELならではの視野角の広さ、発色のよさはあるだけに、屋外利用が多いデバイスとしての配慮は欲しい。
さらに言えば、他のポータブルオーディオを感じさせないほどの斬新なデザインも欲しかった。スマートフォンより「身体に近い」デバイスであるだけに、サイズや重量はもちろん外観の魅力も重要だからだ。この点、おそらく登場するはずの次期モデルに期待したい。
<海上忍>
ITジャーナリスト・コラムニスト。13歳のときにはすでに、自ら開発したマシン語のパソコンソフトを雑誌に投稿するなどしていた、おそらく最初期のデジタルネイティブ世代。コンピュータテクノロジ方面全般での豊富な執筆経験を持ち、Mac OS XやLinux、デジタル家電関連の著作は累計30冊におよぶ。