iOSの使い勝手と小型化を両立
【レビュー】マルチタッチ/動画対応した第7世代「iPod nano」を試す
■基本的な操作感覚はiOSライクだがiOSを越える部分も
アプリは「ミュージック」「ビデオ」「フィットネス」「Podcast」「写真」「ラジオ」「時計」「設定」があらかじめプリインストールされている。各アイコンは丸形で、iOSの角丸矩形と差別化している。
操作は全体的にiOSライクだ。まず、物理的なホームボタンを備えている。ちなみにホームボタンも、中心にあるグレーの図形は、iPhoneやiPadのような角丸矩形ではなく正円。アイコンの形に揃えたのだろう。
ホームボタンを押すと、アイコンが並ぶホーム画面を表示する。ここで画面を左右にスワイプすることでページを切り替えられるのもiOSと同じだ。また、各アイコンはタップ長押しでプルプルと震え出し、移動可能な状態になる。この状態でアイコンを好みの場所に入れ替えられる。移動させたらホームボタンを押すと位置を確定できるのもiOSと同様。
専用プレーヤーならではの機能の少なさを逆手にとり、一部でiOSを上回る操作性を実現している点も興味深い。
たとえば前の画面に戻るのは、右にスワイプ操作をするだけで良い。これは慣れると使いやすく、戻るボタンの位置がアプリによって異なるiPhoneやiPod touchに比べ、迷わずに操作できるメリットがある。前のページに戻りたければ、とりあえず画面のどこでも良いので、右にスワイプすればよいのだ。非常にわかりやすい。
ちなみに、ホームボタンをダブルタップすると現在再生中の楽曲が一発で表示される。これはスリープ状態からでも行え、素早い操作が可能だ。なおスリープ状態から電源ボタンを押した場合も、再生中の楽曲がある場合、まずはその楽曲の詳細画面が表示される。
■音楽再生機能の閲覧性、使い勝手も大きく向上
音楽再生時のリスト閲覧は、第6世代機とは比較にならないほど使いやすくなった。画面が縦長なので表示される情報量が多いし、タッチ操作によるスクロール、タップなども行いやすい。アーティストやアルバム、楽曲の一覧画面では、画面右側を長押しすると頭文字が大きく表示されるので、目的の位置に素早く、正確に移動できる。
操作方法はiOSの良い部分をしっかりと継承しており、たとえば再生中画面でカバーアートをタップすることでリピートやシャッフル、アルバムの楽曲一覧への遷移ボタンが表示されるといった使い勝手は、iOSのそれを踏襲している。
スキップボタンやプレイ/ポーズボタンのサイズなども、画面サイズとのバランスがしっかりと取られており、適正と感じる。ボリュームのスクラブバーの大きさも手頃で扱いやすい。余談だが、スクラブバーの円形のメタル調の部分は、本体を傾けるとそれに応じて輝き方が変わる。加速度センサーの情報をもとにしたこの小ネタは、iOS 6から盛り込まれたものだが、それが新iPod nanoにも反映されていることになる。
ちなみに、カバーアートを横に表示し、めくるようにして選曲できる「CoverFlow」は、第7世代機には搭載されていないようだ。iPhoneやiPod touchでは本体を横向きにすると自動的に「CoverFlow」画面へ遷移するが、nanoでは何も起きない。
全般的に、音楽プレーヤー機能の操作性は非常に良い。前世代機で不評だった部分をしっかりと改善しただけでなく、さらに専用機ならではの魅力を加えてきた印象だ。ボタン一発で再生中の楽曲画面へのショートカットが行えるなど、専用機ならではのチューニングにより、iPhone/iPod touchを操作性の点で上回っている部分も多い。