【特別企画】イヤホンチップでイヤホンリスニングを変える!
一番低音が充実しているのは? シリコン、フォーム、ジェル…イヤホンチップ各種の“聴こえ方測定”
イヤホンチップ各種の聴こえ方ミニレビュー
最後に、今回測定に使用した各イヤホンチップを僕が使ってみた印象も添えておこう。
コンプライのフォームチップは音全体のバランスがとても良い。グラフの通りに低音は豊かだが、嫌な膨らみ方をした低音ではなく、他の音の邪魔にはならない。密閉度が高いからといって中高音がこもる印象もない。むしろ今まで聞こえづらかった細かな音が聞こえるようになった。おそらく独自のフォーム素材による“フィット感の良さ”と“遮音性の高さ”が大きく影響しているのだろう。
モンスターのスーパー・フォーム・チップは、コンプライよりは素材が硬く、そのためか音も少し硬く感じる。また、スーパー・ジェル・チップの方は収縮の幅が狭く、僕の耳にはいまひとつフィットしなかった。そのため音質面は参考までにだが、ソリッドで芯の強い音色という印象。フォームチップとは対照的だ。
ソニーのノイズアイソレーションイヤーピースは、僕個人としては音にも装着感にも癖がなく使いやすいと思える製品だ。
SHUREのトリプル・フランジ・イヤパッドは、長さが相当にあるため、これをきちんと耳の奥まで押し込めるかという耳との相性に、聴こえ方がかなり左右される。僕の場合、完全にはフィットしなかったものの、鼓膜に直接音が注ぎ込まれるような独特の音の感触を楽しめた。
さて、グラフを見ても実際に装着して音を聴いても、やはりイヤホンリスニングにおけるイヤホンチップ交換には大きな意味があると確認できた。そして重要なのは“フィット性”だ。
繰り返しになるが、あなたの耳に合ったイヤホンチップを選ぶことが、イヤホンの性能を大きく左右させると言っても過言ではないのだ。なので、まずはイヤホンに付属するイヤホンチップを一通り試してみて、自分の耳に合うイヤホンチップを見つけることから始めてみてほしい。そしてさらに高い“フィット性”や“遮音性”を求めるならば、僕としてはコンプライを試してみることをお薦めする。
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