[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第39回】いまどきあえてラジオを推す! IPサイマルラジオの楽しみ方をアツく語る
■人の声を心地よく聴けるスピーカーを選ぼう
僕がラジオを聞くときに使っているスピーカーは、いわゆる高音質なものではない。言うならば“好”音質。具体的に言えば人の声が柔らかく聞きやすいという一点勝負で、ラジオとの相性が実に良いのだ。2モデル紹介させてもらう。
ひとつはTivoli Audio社の「Model One」。なかなかお高い3万円弱の製品だ。
そもそもこれ自体がAM/FMのモノラルラジオだ。受信感度も良好で完成度の高い製品である。
しかし僕はこれに用意されている外部入力端子にiPhoneを接続して、radikoを聴くのに使っている。するとradikoならではのクリアな音声にこのラジオ(スピーカー)ならではのまろやかさや暖かみや厚みが加わって、素晴らしく心地よい声が聞こえてくるのだ。僕は布団に潜りながら深夜ラジオを聞くことも多いので、その心地よさがたまらなく気に入っている。
もうひとつはBOSEのM2こと「Computer MusicMonitor」だ。こちらも直販3万1,500円とお安くはない。
こちらは左右別体のステレオスピーカーなので、MacBook Airの両サイドにセットして、Macでradiko等を聞くときに利用している。
音質的には当時のBOSE製品らしく低音のかなりのふくよかさが特徴的で、そのおかげで声に厚みがある。またこちらも声の感触が優しい。声のシャープな成分や圧縮配信ならではのノイズ感も巧く丸め込んでくれて、耳障りさがない。
TivoliもM2も、音楽を聴くときには低音が膨らみすぎる感があるので好みは分かれるかと思う。しかしラジオで人の声を聞くときには実に具合がよい。個人的には音楽を聴くときにも、聴き込むのではなくBGM的に流しておくときには、聞き疲れない感触のこれらを使うことが多い。こういったリラックス系のオーディオは一台持っていても損はないと思う。
最後は少し脱線したが、とにかくラジオはこれまでもこれからも、独特の楽しさを提供するメディアだ。この楽しさを共有する方が増えてくれると嬉しい。
高橋敦 TAKAHASHI,Atsushi 趣味も仕事も文章作成。仕事としての文章作成はオーディオ関連が主。他の趣味は読書、音楽鑑賞、アニメ鑑賞、映画鑑賞、エレクトリック・ギターの演奏と整備、猫の溺愛など。趣味を仕事に生かし仕事を趣味に生かして日々活動中。 |
[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域 バックナンバーはこちら