[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第45回】僕の大自然体感日記:JVCケンウッドの木枠SP「Forest Notes」と5日間暮らした結果
■「スピーカーに見えないスピーカー」の秘密
続いてはForest Notesスピーカーをチェックしよう。Bluetoothに対応しており、PCやスマートフォンで受信した森の配信音をワイヤレスで受け取って再生するというのが役割だ。
まず大きさを確認しておくと、miniじゃないほうはけっこう大きい。この設置スペース問題に加えてお値段のこともあるので、実際に導入するとしたらminiの方、という方が多いだろう。
で、気になる「これスピーカーに見えないんですけど?」というところなのだが…。
このスピーカーはキャビネット全体が木材で組まれており、その内部にエキサイターというものが仕込まれている。そのエキサイターがキャビネット全体を振動させて音を出すのだ。なので、スピーカーをスピーカーっぽい外観足らしめているドライバーユニットが見当たらないし、形も箱じゃなくて木枠といった感じになっている。
キャビネット全体を振動させて発音体とするというのは、一点から音を出すことが理想とされている普通のスピーカーとは逆の発想。またminiの方は完全に割り切ってモノラル再生だったりもする。
しかし本機は普通のスピーカーではない。心地よい森の音を提供することに特化したスピーカーだ。キャビネット全体から音が全周に放射されることで、JVCケンウッド曰く「自然の感覚を生かした空間でゆったりと森の声を楽しめます」「どこからともなく森の声が聴こえてくる豊かな音場」ということなのだ。
そしてその空間の響きを生み出す肝心の木材なのだが、これは国産の栗。古くから住居の建造などに使われている、強度に優れる木材だ。その無垢材を接いでサイズを確保して利用している。仕上げは木材の風合いを生かしさらに引き立てる、亜麻仁油を主成分とした天然オイルによるオイルフィニッシュだ。
さらに凝っているのが、各面の接合方法。ただ接着するのではなく、ましてや釘やネジを使うのでもなく、伝統的な留の技法で接合している。強度と美しさを兼ね備える接合だ。なおこのキャビネットは飛騨高山の家具メーカー、オークヴィレッジが製作している。
続いてこれらのスピーカーの機能的なところを確認していこう。前述のようにこれらはBluetoothスピーカーだ。またバッテリーも内蔵されているので、小さい方で約10時間、大きい方で約7時間までなら、電源ケーブルなしの完全ワイヤレス状態で使用できる。
さて、基本を確認したところでいよいよ次頁より「Forest Notesのある生活」を体験していこう。製品が届いた木曜日〜月曜日までの5日間の記録を、今回はツイート形式(〜140文字単位)の日記風でお届けします。
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