HDMIの新たなリファレンスモデルが誕生 − 独AVINITYのケーブルの音質をレポート

徹底したピュア志向のハイC/Pモデル
RCAケーブル「AY-RCA-ST」を聴いた

最後に、アナログRCAケーブル「AY-RCA-ST」のサウンドをチェックした。こちらは純銀コートOFC導体に、2重のアルミテープ＋高密度編組の合計3重シールドを施すことでノイズを排除し、徹底的なクオリティアップが図られている。また、金属製のプラグは「AY-HDMI-HE」同様、ひねりを加えたデザインが採用されている。価格は1mモデルが12,600円（税込）、2ｍモデルが16,800円（税込）となる。

徹底したシールド構造を採用していることもあり、「AY-RCA-ST1」のケーブル径は価格の割に太めだ。しかし一方で、アウターが柔らかいこともあってか、取り回しはかなり良い。そして何より、そのサウンドクオリティの高さに感心した。外観の堅牢さに見合った、そして価格を考えるとちょっと驚くレベルのサウンドクオリティを、「AY-RCA-ST」は発揮してくれたのだ。

音色傾向としては、徹底したピュア志向。ダイナミックレンジやS/Nなど、アナログケーブルでは犠牲にされがちな基礎体力面をしっかり保持することで、メリハリの良い、リアリティの高いサウンドを堪能させてくれる。おかげで、男声女声問わず活き活きとしたヴォーカルが堪能できる。加えて高域特性も良好のようで、ピアノの音がとても伸びやかに感じられた。価格を考えずとも、なかなかに優秀な製品だ。取り回しの良さと価格面から考えると、デスクトップオーディオにも最適だろう。

なお、AVINITYからはこの他にもRCAｰステレオミニケーブル「AY-MM-ST」や同軸デジタルケーブル「AY-RCA-DG」など、様々なオーディオケーブルが用意されている。それらは短時間の試聴に留まったが、それでも基本性能の高さは十分に感じ取ることができた。

さらに、今後はUSBケーブル（microBタイプ、miniBタイプの発売が決定しており、現在、標準Bタイプも検討中とのこと）やiPhone用のLightningケーブルもラインナップ予定だというから嬉しい。扱いやすい、素直かつ上質なサウンドキャラクターを持つ「AVINITY」だけに、驚くべきコストパフォーマンスも含め、今後の展開を大いに期待したい。