【特別企画】UEが本気で作った高音質モデル
遊び心溢れる本格派 − UEのBluetoothスピーカー「UE BOOM」レビュー
■新しい音楽の楽しみ方を提案してくれる製品
さて、実際のサウンドを聴いてみよう。まずは一般的な使い方として、iPhoneとのBluetooth接続を試みる。設定はとても簡単だ。UE BOOM 上部の電源スイッチを長押して電源をオン、すると自動的にBluetooth接続待機状態となる。あとはiPhoneから UE BOOM を選んで接続するだけ。別のスマートフォンと接続し直したい場合は、同じく上部のBTボタンを押すだけで済む。
溌剌とした、勢いのあるサウンドがとても気持ちがいい。解像感はそれほど高くないものの、中域はしっかりとした主張があり、高域も自然に伸びているので、小型スピーカーにありがちなヌケの悪さはいっさい感じない。いっぽうで低域は必要十分な量感で、リズミカルなサウンドが楽しめる。迫力満点とまではいかないが、音痩せしている印象も全く感じないため、帯域特性としてはなかなかウェルバランスな印象だ。こういった絶妙さこそ、UEブランドならではのコーディネイトといえる。もっと迫力が欲しい、低域を効かせたいという人もいるかもしれないが、バスブーストが用意されているので満足できるはずだ。
続いて UE BOOM を2台接続し、ステレオで試聴。もう1台 UE BOOM を接続し、アプリで「2倍にする」アイコンから設定するだけなので、接続は簡単だ。こちらもなかなかいい。一般的なスピーカーほどステレオイメージが厳格なわけではないが、ステレオイメージははっきりと確立されており、もともとの360度プレゼンスという特性もあって、部屋の一辺に2台を(2mほど離して)設置すると、壁全体から音が出ているかのような音場感になる。2台あるぶん、音の厚みも有利になるので、屋外などオープンスペースで活用する時は、2台でのステレオ利用をお勧めしたい。
このように、UE BOOM は、新しい“音楽の楽しみ方”を提案してくれる、興味深い製品だ。しかも、とても手軽に活用できる点がいい。屋外で、時には室内でも、気軽な音楽再生機器として、大いに活用したい。
(野村ケンジ)