【特別企画】
ORB「JADE Soleil」を野村ケンジ/ChouChoが聴く ー スタイリッシュ&本格派 真空管ヘッドホン/プリメインアンプ
外観も使い勝手もカジュアル。
でも音は本格派
TEXT/野村ケンジ
ORBから新たにリリースされたヘッドホンアンプ内蔵真空管プリメインアンプ「JADE Soleil(ジェイド ソレイユ)」は、デザインがとてもユニークで、かつ愛らしいモデルだ。140mm角のスクエアボディの天板に、真空管がちょんと乗ったスタイルは、オーディオ然としておらず、まるでアクセサリー入れか何かのよう。素材から厳選したという、2.5mm厚のアルミ一枚板から曲げて作られたというボディも、ヘアライン仕上げを施したり、ヘッドホン端子のまわりに凹凸を設けるなど、メイドインジャパンならではの丁寧な作りで上品な仕上がりになっている。
用意されているボディカラーも、「Sakura」「Olive」「Black」「Midnight Purple」と、オーディオ製品とは思えないラインナップ。インテリア性を兼ね備え、女性でも抵抗なく部屋に置けそうなカジュアルスタイルを持ち合わせているのが、「JADE Soleil」ならではの特徴といえる。
いっぽう、外見だけでなくユーザビリティの面においても「JADE Soleil」は“カジュアル”だ。フロントパネルにはボリュームと標準ステレオのヘッドホン出力、ステレオミニの入力しか用意されていないシンプルなデザインとなっていて、ソースセレクターなどはいっさい見当たらない。
しかしこれには訳があって、フロントのステレオミニ端子を接続すると、リアにあるアナログRCA入力から自動的に切り替わってくれるのだ。入力がアナログ2系統というシンプルさもあるが、いちいち入力切替を行わなくても良いのはありがたいかぎり。
いっぽうで出力も、フロントパネルの標準ステレオにヘッドホン端子を差し込むことで、こちらも自動的にオフとなってくれる。入力、出力共に自動で切り換えてくれる直感的な操作感は、とても使いやすい。
とはいえ、「JADE Soleil」最大の魅力といえば、デザインやユーザビリティのカジュアルさもさることながら、やはり本格派のサウンドだろう。天板に真空管が乗っていることから分かるとおり、こちらはプリアンプ部に真空管、パワーアンプ部にデジタルアンプを採用した、いわゆる“ハイブリッド”タイプのパワーアンプだが、仕様を見ると、音質に関して相当な追い込みを行っている様子がうかがえる。
たとえば真空管は、音質とコンパクトを両立するために、低電圧動作でも直線性の良い双三極管「6922(E88CC)」(「6DJ8」の高信頼タイプ)をチョイス。これに組み合わせるパワーアンプには、音質に定評あるクラスDアンプ「ICEpower」を採用している。また、ヘッドホンアンプ部も、オペアンプだけでなくトランジスタも組み込むことで、推奨インピーダンス16〜600Ωという幅広い対応と、ダイナミックかつ歪みの少ないサウンドを実現しているという。
見た目だけじゃない。本格派サウンドをチェック
実際のサウンドを聴いてみると、さすがといえるクオリティだ。まずヘッドホン出力は、アピール通り対応するインピーダンスの幅が広く、下手なヘッドホンアンプではまともに鳴ってくれないAKG「Q701」が、骨子のしっかりしたメリハリの良いサウンドを聴かせてくれる。ゼンハイザー「HD600」でも、キレが良く且つ聴きやすいサウンドを楽しませてくれた。
ちなみに、リアパネルにはスピーカー出力のオン/オフスイッチがあり、こちらをオフにするとスピーカー出力の音が出なくなるだけではなく、パワーアンプ部への電源供給そのものが止められるという。そこで、試しにこちらをオフにしてヘッドホンを聴いてみたところ、解像感が向上し、空間的な広がり感もスムーズに鳴ってくれた。
スピーカー出力も、真空管+ICEPowerという組み合わせが理想的に働き、パワー感をスピーカーに与えつつ、スムーズで表情豊かなサウンドを披露してくれる。ICEPowerは、クオリティの高さと共に電源系の扱いの難しさが指摘されることが多いのだが、ケーブルやタップなど電源まわりの製品をラインナップしているORBだけあって、そのあたりはしっかりしたノウハウを持っているのだろう。雑味のない、心地よいサウンドを作り上げている。
このように「JADE Soleil」は、スタイルもさることながら、本格派のパワーアンプに負けないサウンドクオリティも持ち合わせている、完成度の高い製品だ。デスクトップやリビングなどで手軽に、かつ本格サウンドを楽しみたいという人には、もってこいの1台といえる。
でも音は本格派
TEXT/野村ケンジ
ORBから新たにリリースされたヘッドホンアンプ内蔵真空管プリメインアンプ「JADE Soleil(ジェイド ソレイユ)」は、デザインがとてもユニークで、かつ愛らしいモデルだ。140mm角のスクエアボディの天板に、真空管がちょんと乗ったスタイルは、オーディオ然としておらず、まるでアクセサリー入れか何かのよう。素材から厳選したという、2.5mm厚のアルミ一枚板から曲げて作られたというボディも、ヘアライン仕上げを施したり、ヘッドホン端子のまわりに凹凸を設けるなど、メイドインジャパンならではの丁寧な作りで上品な仕上がりになっている。
用意されているボディカラーも、「Sakura」「Olive」「Black」「Midnight Purple」と、オーディオ製品とは思えないラインナップ。インテリア性を兼ね備え、女性でも抵抗なく部屋に置けそうなカジュアルスタイルを持ち合わせているのが、「JADE Soleil」ならではの特徴といえる。
いっぽう、外見だけでなくユーザビリティの面においても「JADE Soleil」は“カジュアル”だ。フロントパネルにはボリュームと標準ステレオのヘッドホン出力、ステレオミニの入力しか用意されていないシンプルなデザインとなっていて、ソースセレクターなどはいっさい見当たらない。
しかしこれには訳があって、フロントのステレオミニ端子を接続すると、リアにあるアナログRCA入力から自動的に切り替わってくれるのだ。入力がアナログ2系統というシンプルさもあるが、いちいち入力切替を行わなくても良いのはありがたいかぎり。
いっぽうで出力も、フロントパネルの標準ステレオにヘッドホン端子を差し込むことで、こちらも自動的にオフとなってくれる。入力、出力共に自動で切り換えてくれる直感的な操作感は、とても使いやすい。
とはいえ、「JADE Soleil」最大の魅力といえば、デザインやユーザビリティのカジュアルさもさることながら、やはり本格派のサウンドだろう。天板に真空管が乗っていることから分かるとおり、こちらはプリアンプ部に真空管、パワーアンプ部にデジタルアンプを採用した、いわゆる“ハイブリッド”タイプのパワーアンプだが、仕様を見ると、音質に関して相当な追い込みを行っている様子がうかがえる。
たとえば真空管は、音質とコンパクトを両立するために、低電圧動作でも直線性の良い双三極管「6922(E88CC)」(「6DJ8」の高信頼タイプ)をチョイス。これに組み合わせるパワーアンプには、音質に定評あるクラスDアンプ「ICEpower」を採用している。また、ヘッドホンアンプ部も、オペアンプだけでなくトランジスタも組み込むことで、推奨インピーダンス16〜600Ωという幅広い対応と、ダイナミックかつ歪みの少ないサウンドを実現しているという。
見た目だけじゃない。本格派サウンドをチェック
実際のサウンドを聴いてみると、さすがといえるクオリティだ。まずヘッドホン出力は、アピール通り対応するインピーダンスの幅が広く、下手なヘッドホンアンプではまともに鳴ってくれないAKG「Q701」が、骨子のしっかりしたメリハリの良いサウンドを聴かせてくれる。ゼンハイザー「HD600」でも、キレが良く且つ聴きやすいサウンドを楽しませてくれた。
ちなみに、リアパネルにはスピーカー出力のオン/オフスイッチがあり、こちらをオフにするとスピーカー出力の音が出なくなるだけではなく、パワーアンプ部への電源供給そのものが止められるという。そこで、試しにこちらをオフにしてヘッドホンを聴いてみたところ、解像感が向上し、空間的な広がり感もスムーズに鳴ってくれた。
スピーカー出力も、真空管+ICEPowerという組み合わせが理想的に働き、パワー感をスピーカーに与えつつ、スムーズで表情豊かなサウンドを披露してくれる。ICEPowerは、クオリティの高さと共に電源系の扱いの難しさが指摘されることが多いのだが、ケーブルやタップなど電源まわりの製品をラインナップしているORBだけあって、そのあたりはしっかりしたノウハウを持っているのだろう。雑味のない、心地よいサウンドを作り上げている。
このように「JADE Soleil」は、スタイルもさることながら、本格派のパワーアンプに負けないサウンドクオリティも持ち合わせている、完成度の高い製品だ。デスクトップやリビングなどで手軽に、かつ本格サウンドを楽しみたいという人には、もってこいの1台といえる。