<山本敦のAV進化論>第4回
アプリも“One Sony”へ − ソニー「SongPal」開発者インタビュー
「ダッシュボード」と呼ばれるホーム画面にはSRS-X9で利用できる機能や、インターネットに接続して楽しめるミュージックサービスが一覧表示される。また画面の左側を右フリックすると「ドロワー」メニューが表れ、オーディオ機器やネットワークの設定が表示される。ちなみにこのドロワーは、SongPalのアプリ上であればホーム画面から音楽再生中の画面まで、どこからでも呼び出すことができる。
ドロワーの中にはSRS-X9のサウンド設定もあり、ソニーおすすめの音質設定「ClearAudio+」のON/OFFもここで選べる。「ミュージック」のメニュー内にはSRS-X9の各オーディオ入力ソースの選択や音楽ストリーミングサービスの聴取、WALKMANアプリ内に保存した楽曲の再生などがまとまっている。
「ネットワーク」のメニューからは、ホームネットワーク上でつながっているPCやNASに保存した音楽をDLNA経由で再生する機能が選択できる。またUSB接続機器のコンテンツ再生も操作可能だ。
NFC対応のスマートフォンにSongPalをインストールすれば、機機どうしをワンタッチでペアリングして、ネットワーク接続もガイダンスに沿って簡単に行える。
また、例えばYouTubeなど、スマホにインストールしてあるメディア系アプリをSongPalのダッシュボードに「登録」することもできる。YouTubeを登録した場合、YouTubeの映像をスマホで見ながら、音声をスピーカーに飛ばしてよりリッチな音で楽しめる。この場合オーディオストリーミングはBluetooth経由となり、機器がapt-Xコーデックに対応していればより高音質なワイヤレス音楽再生が可能だ。
なお、SongPalアプリで“できること”は、ペアリングする機器によって少しずつ異なってくる。例えばホームシアターシステムでは、サウンドモードや入力ソースの切り替えなどがSongPalから行えるようになる。接続する相手によって、SongPalは柔軟に姿を変えるのだ。
この点について湯浅氏に訊ねたところ、「機器のペアリング時に、対応するファンクションやメニューなど機能の情報が送られ、SongPalがこれを解析して表示する」仕組みだと説明してくれた。また、ペアリングされている機器をつなぎ替えると、新たに接続された機器用の操作メニューだけがドロワーに表示される。「今後様々な製品が出てきても、アプリ自体をアップデートしたり、操作方法やメニュー構造を変えることなく、柔軟に対応できるような拡張性を持っていることがSongPalの特徴」(湯浅氏)なのだという。
■欧米ではPandoraやSpotifyへも対応済み
「SRS-X9」でSongPalアプリを使っていて、筆者が興味深いと感じたのが、MusicUnlimited/Radiko.jp/TuneInとの連携だ。
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