【特別企画】「プレミアム4K」アピールの根拠とは?
東芝「4Kレグザ Z9X」の高画質化ポイントを徹底解説
■4K時代の「色」 − 広色域化でDCIをカバー
もうひとつ、4K時代の高画質ポイントとして定着しつつあるのが、再現できる色範囲を広げる「広色域」化だ。Z9Xが採用する「直下型広色域LED採用4Kダイレクトピュアカラーパネル」では、色域が従来比約30%アップとなり、レッドやグリーンを拡大しているデジタルシネマの色域「DCI」をカバーするまでに拡大。4K撮影された映画本来の色情報までもほぼカバーする。
また、映像信号としては4K放送試験放送やスーパーハイビジョンで採用される次世代の広色域「BT.2020」の映像信号の入力にも対応。4Kパネルの搭載と合わせ、4K放送準拠の仕様とも言える。
もっとも、ネイティブで広色域の情報を持った映像ソースは、現状では「Mastered in 4K」のBDソフトなどごく一部に限られるのも事実。そこで、現在あるBDや放送においては、いかに拡大した色域を有効活用するかが高画質を作り上げるポイントになる。このアルゴリズムこそ、テレビが搭載する画質エンジンの働きが問われる部分だ。
これに対し、東芝がZ9Xで出した答えは、「4K広色域復元」の搭載だ。
Z9Xでは、放送やBDの色域であるBT.709の映像信号に対して、高精度色空間処理により6,144項目の物体色の限界(最明色)を考慮した広色域復元データベースを参照し、色域を拡大する。例えば赤色であれば「自然界に存在する赤として違和感のない最大の明るさ」などといったように、6,144種もの個々の色パターンを判断し、再現する最大の鮮やかさを個別に設定できることで、蛍光色のような不自然な鮮やかさになることを回避しているのだ。
広色域復元の技術は昨年のZ8シリーズに先行して搭載されていたため、この技術によってナチュラルな映像と広色域のポテンシャルが両立可能であることは実証済み。「広色域」は4K時代の高画質ポイントとして既に定着しつつあるだけに、その活用について昨年から取り組んできたZ9Xにはアドバンテージがあるというわけだ。
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