【特別企画】「プレミアム4K」アピールの根拠とは?
東芝「4Kレグザ Z9X」の高画質化ポイントを徹底解説
■パネルの実力を最大限に引き出す「レグザエンジンCEVO 4K」
Z9Xに搭載される高画質エンジン「レグザエンジンCEVO 4K」は、長きに渡って薄型テレビ業界内で超解像技術のトレンドを牽引してきた東芝独自の映像エンジンの最新世代だ。同エンジンが「HDR」「広色域」といった高画質化ポイントにおいて重要な役割を果たしていることは、これまでも述べてきた通り。しかし、それ以外の点でも「レグザエンジンCEVO 4K」には注目すべき高画質機能がまだまだ秘められている。
今回から搭載された新技術としては「デジタル放送ノイズエリア解析超解像技術」がある。これは、4Kテレビの大画面でデジタル放送を視聴した際に目立ってしまうノイズを軽減するというもの。映像のエッジ部や平坦部の特徴を詳細に検出し、エリアごとの映像処理によってノイズを軽減。画面全体の鮮明さと文字のクリアさを実現するのだ。
ほかにも超解像技術については、画像を光沢部分と物体色に分離し、光沢を制御して再合成することで映像の輝きを維持する「光解析 輝き復元」や、映像の質感を向上させる「微細テクスチャー復元」、画面の部分に応じた超解像処理により画面の精細感を向上させる「絵柄解析 再構成型超解像技術」などを搭載。昨年までのレグザエンジンに搭載されてきた超解像技術もすべて継承している。
また、Z9Xで初めて搭載したユニークな機能として、1080p画質モードに対する「ピュアダイレクトモード」の搭載が挙げられる。Z9Xのエンジンは2段のチップ構成になっているのだが、本モードでは前段の画質エンジンをスキップし、通常は4K領域の高画質を扱う「レグザエンジンCEVO 4K」のみで処理するというものだ。こうすることで、映像回路間の信号まるめが回避され、映像信号に対してフル12bit処理が行われる。
なお、「ピュアダイレクトモード」は、MGVC対応のBDレコーダーやプレーヤーで、MGVCにより12bit記録されたBDを再生した時に、特にその効果を発揮する。高画質追求のためにこうしたモードを搭載してきた部分に心意気のようなものを感じてしまう。
さらに、マスターモニター設定をより簡単に行えるようにした「D93」「D65」モードも新搭載。これは、昨年のZ8Xシリーズを業務用途で購入してマスターモニターとして利用しているユーザーの声を反映する形でチューニングされた画質設定をモードとして独立させたものだ。このほかにも「4Kネイティブ」の映像信号入力に対しても画質モードの選択が可能になるなど、より原画志向のユーザーの声にも応えてくれる。