【特別企画】「プレミアム4K」アピールの根拠とは?
東芝「4Kレグザ Z9X」の高画質化ポイントを徹底解説
■直下型LEDバックライトとHDRで高画質トレンドに真正面から挑んだモデル
ひとつめは、「直下型広色域LED採用4Kダイレクトピュアカラーパネル」と称する、直下型LEDバックライトの採用だ。まず、基本的な特性として、画面直下にLEDを搭載する直下型LEDは、一般的なエッジ型バックライトと比較してエリア駆動の精度が高まる。
また、輝くようなきらめき感と高コントラストを実現するべく、輝度をZ8X比で約75%アップ。薄型テレビとして最上級の700nitという高輝度を、一般に液晶透過率の下がる4Kパネルで実現しているのだ。
直下型LEDの採用によってもたらされる画面内のダイナミックなコントラスト、そしてピーク輝度の突き上げは、バックライトのエリア制御によるコントラスト拡大のみならず、映像信号を扱う高画質エンジンとも連動する。「きらめきダイレクトLEDエリアコントロール」によって映像信号に含まれる画面のピーク輝度成分を復元することで、画面全体のダイナミックレンジを拡大。これにより輝き感のある高画質へとつなげている。
なお、現行のデジタル放送やBDソフトでは、映像の輝きに相当する高輝度情報は収録されてない。テレビ番組や映画ソフトなどでは、撮影時に白つぶれを防ぐためにカメラ側で光量の情報を本来よりも圧縮しているわけだが、この点に対して本機では独自の「ハイダイナミックレンジ復元」を適用。この技術によって、輝度信号をオリジナルのリニアな情報の伸びを持つものとして復元する。つまり、カメラが被写体を撮影する前にカメラマンが捉えていた、本来目にしていた光景通りにリニアに復元することで、被写体本来の持つ階調を伴った正しい輝きを復元することができるのだ。
また、現在の放送やBDに含まれる映像の輝度信号の幅に着目して、その信号自体のレンジを拡大する取り組みは「HDR」と呼ばれ、4Kと平行した新世代の高画質技術として注目されている。実際、今年1月に米国・ラスベガスで開催されたCESの会場ではHDRを想定した映像伝送方式での技術も披露されていた。
これに対し東芝は昨年発売のZ8ですでにハイダイナミックレンジ復元を搭載しており、このトレンドを先取りしていたとも言える。さらに、今回のZ9XではHDRと4Kパネルとを組み合わせて採用することで、今後の高画質トレンドに真正面から挑んだモデルとなっているのだ。