【特別企画】映画/アニメ/スポーツなど7種類のコンテンツで徹底検証
東芝「4Kレグザ 58Z9X」画質設定使いこなし検証 − コンテンツ別に最適な設定は?
■フィルムを4Kスキャンした『007/スカイフォール』で選ぶべき設定は?
BD『007/スカイフォール』は、ダニエル・グレイグ主演となった007シリーズの第3作。本作はフィルム撮影した上でフィルムを4Kスキャンして劇場上映、BD化された作品だ。筆者の画質チェックの定番ディスクとして利用している。
コンテンツモードには「オート」のほかに、「ビデオ」「シネマ」「アニメ」「サッカー/ゴルフ」「写真」の5項目があり、さらにその一階層下に「4Kネイティブ」「4KマスターBD(※アニメの場合は「ハイビットBD」)」「BD」「放送」「ネット動画」という選択メニューが用意されている。本作では、映像モードに「映画プロ」を選択した上で、コンテンツモードを「シネマ」の「4KマスターBD」への変更を行った。
ここでの設定メニューの「BD」と「4KマスターBD」との違いは、超解像技術「レゾリューションプラス」のかかるエリアの差だ。レグザ Z9Xの映像回路ではエッジ部、テクスチャー部、平坦部をリアルタイムで識別し、テクスチャーの部分だけに超解像をかけることで精細感を引き上げている。
「4KマスターBD」では、このエリア識別がオフになり、平坦部も含めて超解像がかかるようになる。なお、同時に3次元ノイズリダクションも4KマスターBDの場合のみ「切」になるので、コンテンツにノイズが含まれているとより目立つようになる。結果としてディテールだけでなくコンテンツに乗っているノイズ、またフィルムグレインも強調されるようになるが、4KマスターのBDのように元ソースの品質が良い作品であれば、それでも全体に超解像をかけた方が、映像の見え方は良くなるというわけだ。
この結果は、『007/スカイフォール』でいつも見慣れているチャプター25のジェームス・ボンドと“M”の顔もより肌の彫りも深くなるように現れ、画面全体の精細感が自然に引き上げられた。